侍娘-クリスティナ-part4/悩む戦士たち
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タバサと別れ、図書室を出た二人は廊下を歩いてテファの待つ部屋へと向かっていった。
しかし、思いのほか親切にタバサは本を紹介してくれた。この世界では平民として扱われている自分たちだが、タバサが「自分が貸し出したことにする」と言ってくれたこともあって、こうして本を借りることができた。
「いつかちゃんとお礼をしておかないとな…しかし、なんだ?その『サッちゃん』とやらは?」
横からくっついたまま歩いているリシュに、シュウはなんとなく尋ねる。
「タバサのサをとってサッちゃん!…変かな?」
「いや、別に…」
「あ。もしかしてサッちゃんのこと気になってる?お兄ちゃん、だめだからね。お兄ちゃんにはリシュがいるんだから!」
「変なことを言うな。ガキに興味はない」
実際そのとおりで、シュウは同世代かそれ以上じゃない女に対して、それに加え小柄で細身な女性を大人であるという認識はなく、そのためルイズのことも子供のように認識していた。当の本人からすれば「私はもう大人よ!!」とぶち切れて文句を言うだろうが。
子供はたまに意味不明なことを口にする。シュウはそう思って適当に返すが、今の言い方もタバサに聞かれたら誤解を招きそうな言い方だ。
「むー!リシュのこと子供扱いした!リシュだって立派な女なんですから」
「はいはい、後10歳成長してフリーだったら考えてやるよ」
当然本気じゃないが。
「今の言葉忘れないでね?」
兄と慕うシュウから求めた形の扱いをされず、やや不満げにしながらもリシュはそこで大人しくなった。
その日の夕方、ウルトラマンとしてだけでなく、人生の先輩でもあるムサシと連絡を取って相談に乗ってもらっていた。
『クリス?もしかして、女王様が言ってた、そっちに留学しにきた他国の王女様のことかな?』
ビデオシーバーに映るムサシに、最初に彼の現在の状況を聞いてみる。後ろには、ヒョコッとヤマワラワが顔を出している。いつか一緒にコスモスペースの地球へと帰る予定ということもあり、表向きは使い魔という形で傍に置いている。少々苦しいが、ヤマワラワが人目の前でも危険視されにくくするにはちょうどいい言い訳だった。
「あ、はい…って、ムサシさんも知ってたんですか?」
『僕もこっちで仕事してる間に、女王様と話をしてたんだ。知り合いの王女が留学生として学院に来るってね。クリスティナ殿下がそっちに行く前に、彼女とも話をしたよ。
でも意外だったのは、彼女の師匠だ』
「師匠…錦田影竜って人ですか?確かに、意外と言えば意外でしたけど」
クリスの格好を考えれば当然とも思えた。しかし意外なのは、次にムサシが口にしたことだった。
『名前だけなら僕も聞いたことがあるんだ』
「ま、マジですか!?」
聞いたことがあるというムサシの告白にサイトは驚いた。
『かつて
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