暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
侍娘-クリスティナ-part4/悩む戦士たち
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れ、共にここにいないルイズを笑い出した。中にはルイズを憐れんだり、彼女を馬鹿にする生徒を軽蔑する者もいたが、彼らはそれを口に出そうとしなかった。授業中は自主トレに励んだり、シュウたちの様子を見に行ったりしていたサイトも、そのタイミングで鉢合わせた。
(あいつら…!!)
ルイズはこれまで、ウルトラマンでもある自分と共に、この国、この世界のために戦ってきた。虚無の恩恵だけじゃない。彼女自身が何とか自分が誰かの力になろうとしている、それを笑う彼らに対して怒りを覚えた。
そんな時だった。
「貴様ら、なぜ笑う?」
通りがかったクリスが、ルイズを馬鹿にする生徒たちに鋭い視線を向けた。異世界人でありながら侍を自称しているだけあり、その眼光に生徒たちは怯んだ。
「ルイズの魔法の際は褒められたものじゃないかもしれない。だが、それでも挫けることなく、ましてやお前の侮辱にも耐えようとする強靭な心を嘲笑う。
そんな彼女を笑うとは、同じ魔法学院の…トリステイン貴族として恥ずかしいとは思わないのか!?」
彼女の生徒全員に向ける叱咤に、教室内の生徒たちは押し黙った。
(クリス…!)
変わった奴だとは思うが、やはりいい子だ。
しかし、その発言がきっかけだった。
クリスは以前より一層、クラスで孤立した。
騒ぎを聞きつけたルイズからも、「余計なことは言わないで!」と厳しく諫言された。その言葉に関してサイトは反発したが、ルイズは聞き入れず、そのまま自室にこもってしまった。
「ルイズの奴、なんで…」
その後、かばったのにどうしてクリスに反発したのか理解できずに、中庭でサイトは悶々としていた。
「まったく意味が分からないね。クリスから庇ってもらったのに、恩知らずな奴…」
ハルナも…いや、アキナも同じことをキツめに口にしていた。彼女もルイズの受け答えに不満を抱いたせいか、自然と人格が交代していた。
「やれやれ、平民の君たちにはわからないだろうね」
そんな二人のもとにギーシュたちも混ざってきた。
「どういうことだよ?ルイズを庇ってやったのに?」
「確かに悪くないわ。けど問題でもあるの」
よくわからないとばかりにサイトが問うと、モンモランシーやギーシュ、そしてキュルケも理由を明かした。
彼らの話をようやくすると、侍であろうとする姿勢を保っているほど生真面目、ノリが悪いともいえる性格であること、それ以前に小国の王女でもあるということが敬遠される要因でもあるそうだ。王女と仲良くすると、その国に取り入ろうとしていると思われるのだそうだ。
「小国に取り入ったって何のメリットもないわ。寧ろ出世の足を引っ張りかねないの。そう思われたくないから、誰もクリスに近づこうとしないのよ」
「貴族は本来、友達付き合いでさえ互いの利害による繋がりが多いものなのだよ、サイト」
「そ
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