侍娘-クリスティナ-part4/悩む戦士たち
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と鍵が解除される。鍵が開けられたのを確認し、シュウは扉を開いた。
「お姉ちゃんただいま!」
リシュはテファに飛び込むように抱きつき、テファは少し困ったような笑みを浮かべて彼女を抱きとめた。子供になつかれやすいのは、リシュが相手でも変わらなかった。
「…妙に素っ頓狂な声上げてたけど、寝ていたのか?」
「え、ええ…ごめんなさい」
「別に謝らなくてもいいんだが…お前は迂闊に外を出歩けないから仕方ない」
エルフの特徴である長く尖った耳。見られてしまえばことである。
「外に出られないし、暇だと思ったから図書室から本を借りてきたよ」
「あ、ありがとう…」
机の上に本を置いたシュウに、テファは礼を言った。
「ねぇねぇお兄ちゃん!早く本読もうよ!!」
リシュは本を持ってシュウに急かしてきた。椅子に座ると、彼女がシュウの膝に乗ってきた。
「おい、なんで膝の上に乗る?」
「えへへへ。いいからいいから。早く読んで♪」
「…仕方ないな」
呟きながら、シュウはリシュから渡された本を広げた。
テファは、少し目を丸くした。つい最近まで頑なに他人から距離を置こうとしていた彼が、幼い子を膝に乗せて本を読んであげている。本人も子供が苦手そうにしているし、少し前の頃は考えもしなかった。辛い過去を吐き出して、頑なな態度が軟化しているのだろうか。
なんにせよ、彼女は嬉しかった。彼が、こうして微笑ましい姿を見せているのが。
そして、夜は更け、世界はまた変わる…
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