暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1970話
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 料理の美味いカラオケ店……曲が多いのはカラオケ店としては既に当然で、現在はそこにプラスアルファの付加価値を付ける必要がある。
 それが、この店の場合は料理の美味さだった訳だ。
 普通であれば、カラオケ店で出される料理なんてのは冷凍食品が殆どで、少し力を入れているところでも、下処理が完了している料理をただ調理するだけという店が多い。
 だが、この店はきちんと調理師の資格がある人物がいて、素材から調理をしているのだ。
 当然のように出来合いの料理と比べるとこっちの方が美味く、そういう意味でも人気店となっているらしい。

「友近君、歌が上手いんですね」
「どうでもいい」

 山岸の言葉にそう返す有里。
 いや、それは正直どうよ? と思わないでもないが……

「そう言えば、今朝は色々と凄かったんだって?」
「え? ……はい」

 俺が何を言いたいのかを察したのか、山岸が少しだけ不機嫌そうになる。
 そして有里が俺に向け、不満そうな視線を向けてくる。
 何故ここでそんな事を言うのかと、そんな風に咎めているような視線。
 順平から聞いた話によると、今朝起きた時に山岸がアイギスがいない事に気が付き、探したら有里の部屋にいたらしい。
 自分の恋人……かどうかはまだ分からないが、ともあれ憎からず思っている人物の部屋にアイギスがいるというのは、山岸にとって不満だったのだろう。
 有里との間が、少しだけギクシャクしていた。
 そんな2人を酒の肴にし――酒は飲んでないが――つつ、俺達は打ち上げを楽しむのだった。
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