暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第146話「彼の隣に立ちたくて」
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「誰が、分身は一体だけだと言ったかしら?」

 そう。分身は一つだけじゃない。
 それどころか、さらに増え続ける。それがHarmonics(ハーモニクス)なのだから。
 分身体がさらにスキルを使い、分身は増え続ける。
 その分だけ消費魔力量も増えていくけど……そこは魔力結晶でカバー。
 ……よって。

「物理でも魔法でも霊術でも押しきれないのなら、物量で押し切る……!」

「面妖な……!」

(貴方)がそれを言うのかしら……!」

 怒涛の近接攻撃だけでなく、遠距離からの魔法や霊術も加わる。
 そして、その量は増え続ける。

「ぐ、ぬぅうう……!」

「っ……!」

 これは、一種の根競べ。
 私の魔力と魔力結晶が尽きるのが先か、両面宿儺が力尽きるのが先か。
 ……さぁ、耐えて見れるものなら、耐えてみて……!







「ぐ……ぬぅ……!」

「これで、終わりよ……!」

〈“Forzando(フォルツァンド)”〉

 ボロボロになった両面宿儺を、分身が数人掛かりで押さえこむ。
 直接押さえていない分身も、バインドなどで協力する。
 そして、そこへトドメの魔法を本体()が撃ち込んだ。

「ご………ぉ……み、見事……!」

「……………」

 胸を穿たれ、倒れ伏す両面宿儺を、黙って見続ける。
 ……反応は、なし。完全に沈黙したわね……。

「門は……」

〈そのまま真っすぐですね〉

「ええ」

 完全に倒した事を確認し、私は門を閉じに向かう。
 閉じた後、周囲に妖などが残っていないか探知する。

〈……大丈夫です。周囲に敵はいません〉

「そう。……ガードスキル“Absorb(アブソーブ)”」

 エンジェルハートの返答に、私は安心してガードスキルを発動させる。

「っ、ぅ、くっ………!」

 独立した意識を生み出すハーモニクス。一見便利なスキルだけど、欠点がある。
 それは、分身を戻す際、つまりアブソーブを使った時、本体である私に分身の記憶や疲労などの、全ての経験が集約すると言う事。
 ……言い換えれば、分身がそれぞれ負った少しの疲労も、元に戻ると……。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 こうして、私には大きな疲労として襲ってくる事になる。
 他にも、今回は大丈夫だったとはいえ、分身が一人でも大怪我を負った状態で同化すれば、その痛みも感じる事になる。そして、それは怪我を負った分身が多い程大きくなる。
 幸い、傷そのものは私自身が負ったものしか残らないけど。

「……やっぱり、あまり使うべきではないわね…」

 なぜ今までこれを使わなかったのか。その理由がこの疲労感だ。
 確か
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ