暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第146話「彼の隣に立ちたくて」
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法陣を展開して羽型の魔力弾を両面宿儺に降らせる。
 次々と炸裂する羽で、視界が遮られる。

「(今まで温存していたけど……もう躊躇しない……!)」

〈“Delay(ディレイ)”〉

 加速魔法で一気に間合いを詰める。

「見えているぞ」

「知っているわ……!」

 だけど、両面宿儺は的確に私を見つけ、攻撃してきた。
 振るわれる刀。けど私は身を捻ってそれを躱し……。

「はっ……!」

   ―――“刀技・十字斬り”

 その勢いのまま、十字の斬撃を放つ。
 ……が、それは霊力の鎧に防がれ……。

〈―――“Delay(ディレイ)”〉

「シッ……!」

「ぬ、ぅ……!?」

 肩辺りを、私の刃によって切り裂かれた。

「(浅い……!)」

 思った通りだった。霊力の鎧が強力とはいえ、攻撃を防いでいる間は、()()()()()()()()は比較的防御が弱い。
 それを狙って、私はディレイを使って回り込み、一撃を入れた。
 顔や首を狙わなかったのは、視界に入る事で霊力の鎧が強化されるのを防ぐためだ。

〈“Delay(ディレイ)”〉

「“フォルティッシモ”!!」

 間髪入れずに加速魔法で距離を取り、同時に砲撃魔法を放つ。
 さっきの風車とは比べ物にならない程、集束させる事で強力にした魔法。
 これなら、さすがの両面宿儺も防御の態勢に入る。

「ガードスキル……!」

〈“Delay(ディレイ)”〉

 優輝さんに貰った魔力結晶を取り出し、その魔力を取り込む。
 そして、攻撃に出る。

「ふっ……!」

「甘い」

 加速魔法で背後に回り込む。そして、刃を振るう。
 だが、それはいとも容易く刀に防がれ……。

〈“Delay(ディレイ)”〉

「二度は引っかからぬわ!」

「っ!」

 フェイントすらも防いで見せた。
 ……でも、無駄。

「っ、ぐぅ…!?」

 両面宿儺が背後から背中を斬られる。
 斬ったのは、私。でも、正面にも私はいる。

「分身か……!」

「………」

 そう。砲撃魔法を放った直後に、使っていたのだ。
 分身するガードスキル“Harmonics(ハーモニクス)”を。

   ―――“Delay(ディレイ)
   ―――“Delay(ディレイ)

「シッ!」

「はっ!」

「だが、その程度で……!?」

 私は分身と同時に斬りかかる。
 けど、それすらも対応してみせる両面宿儺は、やはり戦闘技術が高い。
 でも、上空から連続で降り注ぐ砲撃魔法と射撃魔法に怯む。

「何……!?」


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