第5章:幽世と魔導師
第146話「彼の隣に立ちたくて」
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。
体格と武器からして、小回りの利く私は捉えづらいはず。
それなのに、背後に回り込むような攻撃すらも、悉く防がれ、受け流される。
顔が二つあり、腕が四つあるとは言え、“意識外”と言う死角はあるはず。
だが、両面宿儺は戦闘技術が高く、決して私を“意識外”へと見失わなかった。
「(折角優輝さん達に鍛えてもらった戦闘技術も、上回られている…!)」
霊術を習うにあたって、私は優輝さん達に武器の手解きを受けた。
自主練も怠らずにやっていたし、並以上の技術はあると自他共に認めていた。
……それを、この両面宿儺はあっさりと凌駕していた。
「……軽いな」
「っ……!」
両面宿儺に、見下されるようにそう言われる。
“攻撃が軽い”。それは、以前から優輝さん達に指摘されている事だ。
私は機動力と連撃を生かした戦法を得意としている。
ディレイを連発して戦うのもそれが理由だ。
素早く攻撃する。……だからこそ、必然的に攻撃が軽くなってしまう。
つまり、堅実な戦い方をする相手には滅法弱いのだ。
「(近接戦は圧倒的に不利。でも、手を出し尽くした訳じゃないし、遠距離や搦め手もある。……勝機が薄い訳じゃ、ない)」
私の戦い方には、もう一つ特徴がある。
本来、二刀で戦う場合は、遠距離の術が使えない。
けど、私の場合は手に刀を持たずとも、武器が……ハンドソニックが扱える。
優輝さん達の特訓で得た、遠近両立の戦い方、見せてあげるわ……!
「ッ!」
「む…!」
―――“Delay”
まずは踏み込み、間合いに入る。
エンジェルハートは待機状態に戻し、ハンドソニックを展開しておく。
反撃に繰り出される刀の一撃を、ディレイで躱し、突きを放つ。
ギィイン!
「っ、切り裂け……!」
―――“風車”
放った突きは、手刀であっさりと逸らされる。
その際、体勢が崩れるけど……逆にそれを利用して薙ぎ払うように霊術を放つ。
「ふん」
「ッ……!」
けど、その霊術は両面宿儺が一息の下放たれた霊力の“圧”に防がれる。
それを見て、すぐにディレイを使って間合いを取る。
「今のは……!」
〈おそらく、霊力を纏う事による一種の“鎧”です。生半可な攻撃は通じないかと……〉
まるで、闘気で攻撃を弾くような、漫画みたいなもの……。
……でも、大丈夫。
「(戦法自体は、通じる……!)」
既にそれなりの時間、戦い続けている。
未だに両面宿儺をその場からあまり動かせていないけど……。
「決めに、掛かる……!」
―――“エンジェルフェザー”
手始めに、魔
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