第5章:幽世と魔導師
第146話「彼の隣に立ちたくて」
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か分からないけど。
「……では、私は行きます」
「そうか。では、お主の上司に伝えておけ。もう四国は大丈夫じゃとな」
「分かりました」
そういって私は隠神刑部さんと別れ、別の場所へ向かう。
……と言っても、特に指定がないから普通の妖とかを出来る限り減らすだけだ。
四国は隠神刑部さんが何とかしたみたいだし……中部地方でも行こうかな。
「(……優輝君達、大丈夫かな……?)」
私はジュエルシードに守ってもらっているから大丈夫だったけど、他の皆は違う。
椿ちゃん、葵ちゃん、優輝君、奏ちゃんは単独行動だ。
この状況下では何が起こるか分からない。
……ましてや、蓮さんを短時間で瀕死に追いやる存在がどこかにいるのだから。
「(いつも優輝君は無茶をしている。……少しぐらいは、私達で負担しないとね)」
四国から中部へと飛びながら、私はそんな事を考えた。
……うん。でも、きっと大丈夫。優輝君だもん。
私の大親友で、大好きな人は、どんな苦境でも乗り越えるんだから。
=奏side=
ギィイイイイン!!
「っ……!」
「ゥォオオオッ!!」
ギィイイン!!
大きな剣と、二刀となったエンジェルハートがぶつかり合う。
けど、それはほんの一瞬で、次の瞬間には私は大きく弾き飛ばされている。
体格と、力が私を大きく上回っているからだ。
「ふっ……!」
〈“Delay”〉
振り下ろされた剣を、若干弾かれるように受け流し、魔法を行使。
背後に回り込み、二刀の内片方を振り下ろす。
ギャリィイ……!
「っ……!」
刀は軽々と受け止められる。
そのまま、宙を蹴り、刀で滑るようにさらに間合いを詰める。
……が、そこで眼前に両面宿儺の振り返りざまの貫手が迫る。
「くっ!」
「ふん!」
顔を逸らし、何とか掠るに留める。……その代わり、体勢を崩す。
そこへ手刀が迫る。
「ッ!」
〈“Delay”〉
魔法を行使すると同時に、身を捻る。
瞬間、ふわりと体が上昇するように移動し、手刀を躱す。
そのまま後ろへと飛び退きつつ体勢を立て直す。
「ふぅ……ふぅ……」
「……………」
ゆっくりと呼吸をして、息を整える。
それを、両面宿儺はその場から動かずに眺める。
……そう。両面宿儺は未だに戦闘開始からほとんど動いていない。
「(……近接攻撃は、ほぼ通用しない……)」
驚く他なかった。……まさか、近接攻撃が悉く無効化されるなんて
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