最終章:夢を追い続けて
第66話「足止めの戦い3」
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はい。ユーリさんが助力してくれたおかげで」
「ユーリが!?」
まさか囚われている人物が手助けしているとは思わなかったのだろう。
シャルロットは大きく驚いた。
「……なるほどね。あの子、ようやく足を踏み出したのね」
ドゥーエが納得している間に、セシリアはシャルロットに自分のナイフを渡す。
「シャルさん、とりあえずこれを」
「ナイフ……でも、セシリアの分は?」
「私よりもシャルさんが持っている方が役立ちます」
ちなみに、クアットロの持っていたナイフを奪っているので、どの道セシリアが困る事はなかったりする。
「まずは私が牽制している間に、武器の回収を。その後は前衛を頼めますか?」
「分かった。でも、気を付けて。ドゥーエの間合いに入ってしまえば、近接戦では絶対に敵わないから。それに、ドゥーエは遠近両方こなせる」
「心得ましたわ」
小声でどう動くか話す。
二人掛かりとは言え、個々の強さでは下回っているからこその警戒だ。
「……負けは決まったようなものだけど、最後まで足掻かせてもらうわよ」
対し、ドゥーエは負けを確信していた。
ただでさえシャルロットに苦戦していたのだ。
そこへ、援護射撃が入れば負ける事になってもおかしくはなかった。
「シャルさん!」
「っ!」
セシリアの掛け声を合図に、シャルロットが後方へ駆け出す。
同時に、セシリアが牽制としてドゥーエに射撃する。
「っ!甘いわ!」
「くっ……!」
当然、ドゥーエも負けじと反撃する。
互いに射線に留まらないように動き、ドゥーエは距離を詰めていく。
対し、セシリアは射線に自分だけでなくシャルロットも入れないように動かなければならないため、必然的に徐々に追い詰められる。
「させないよ!」
だが、それよりも先にシャルロットが復帰する。
別方向から放たれた弾丸に、思わずドゥーエは体勢を崩す。
「っ!そこっ!」
「くっ、っ!?」
そこへセシリアがクアットロのナイフを投げ、ギリギリで避けた所を撃つ。
狙った先はドゥーエの太もも。……つまり、脚を奪うつもりだ。
もちろん、直撃ではなく、立てなくなる程度のダメージで十分なので、掠らせる程度にしか命中させなかった。
「……終わりなのは、こっちのセリフだよ」
「……そのようね……」
セシリアの行動中に、シャルロットはそのまま間合いを詰め、ナイフを突きつけた。
「終わりなのは、私じゃないわ……」
「っ、まだ……!?」
ドゥーエの言葉に、警戒するシャルロット。
しかし、それは、まだ何かあるからこその言葉ではなく……。
「終わりなのは、“私達
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