最終章:夢を追い続けて
第66話「足止めの戦い3」
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
性がある訳ではなく、生身だと扱えなかった。
……もし扱えたのなら、この状況を変えられたかもしれませんわね。
「………」
……私に、これ以上打つ手はなかった。
今でこそ何とか堪えているものの、負けるのは時間の問題。
第一にガシェットによって数で上回られている上に、破壊しても補充される。
そうなれば、物量さで押し負けるのも当然と言えてしまう。
「(……、……?あら……?)」
ギリギリで凌いでいる時に、ある事に気づく。
私に振るわれているコードの動きが、一部おかしくなっていた。
「(これは……?)」
私の動きを乱すためなのかと思ったが、それにしては動きがわかりやすかった。
むしろ、先程までよりも楽だと思える程だった。
「あ、あら?どうしたのかしら…?」
「(向こうも想定外?だとしたら、一体……)」
その疑問はすぐに解ける事になった。
私の持っていた端末から、声が聞こえてきたからだ。
【セシリアさん!】
「っ、その声は……ユーリさん?」
【はい!今、ガシェットにハッキングを仕掛けています!動きが乱れる程度ですが……】
「いえ、十分に役立っておりますわ」
相手の狼狽も、動きの乱れも合点がいった。
まさか、ここでユーリさんが味方してくれるなんて……。
「ちょっとぉ、どうなってるのよ!」
「(好機!今の内に数を減らしますわ!)」
ガシェットの攻撃が単調になった所で、大きく横に避ける。
再捕捉までに時間がかかるのを見越して、ガシェットに狙いを付け……。
「(狙い撃ちますわ!)」
放った弾丸は、全てがガシェットのコアを撃ち抜く。
……これで、相手は無防備ですわ。
「っ、くっ、ふふ……!あの子もやるじゃない」
「……貴女一人になったのに、偉く余裕ですわね」
「余裕?ええ、余裕に決まってるじゃない。貴族様お一人程度、私一人でどうにでもなるっての!」
「っ!」
そう言うや否や、彼女は投げナイフを放ってきた。
咄嗟に身を捻って避け……。
「え……?」
二撃目は、何故か私の足元に刺さった。
一瞬、手元が狂ってミスでもしたのかと思いましたが……。
……その答えは、すぐに判明する。
「っ……!?ケホッ、ケホッ!?」
「投げナイフ形の催涙弾とでも言うべきかしら?人一人分の範囲しかないけどぉ、随分とあっさり引っかかってくれたわねぇ」
「っ……くっ……!」
催涙ガスが、目に染みて視界がぼやける。
完全にしてやられてしまった。
「さぁて、どうやって痛めつけてやりましょうかぁ」
「っ……!」
とにかく、この場に留まっていてはいけ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ