暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第66話「足止めの戦い3」
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性がある訳ではなく、生身だと扱えなかった。
 ……もし扱えたのなら、この状況を変えられたかもしれませんわね。

「………」

 ……私に、これ以上打つ手はなかった。
 今でこそ何とか堪えているものの、負けるのは時間の問題。
 第一にガシェットによって数で上回られている上に、破壊しても補充される。
 そうなれば、物量さで押し負けるのも当然と言えてしまう。

「(……、……?あら……?)」

 ギリギリで凌いでいる時に、ある事に気づく。
 私に振るわれているコードの動きが、一部おかしくなっていた。

「(これは……?)」

 私の動きを乱すためなのかと思ったが、それにしては動きがわかりやすかった。
 むしろ、先程までよりも楽だと思える程だった。

「あ、あら?どうしたのかしら…?」

「(向こうも想定外?だとしたら、一体……)」

 その疑問はすぐに解ける事になった。
 私の持っていた端末から、声が聞こえてきたからだ。

【セシリアさん!】

「っ、その声は……ユーリさん?」

【はい!今、ガシェットにハッキングを仕掛けています!動きが乱れる程度ですが……】

「いえ、十分に役立っておりますわ」

 相手の狼狽も、動きの乱れも合点がいった。
 まさか、ここでユーリさんが味方してくれるなんて……。

「ちょっとぉ、どうなってるのよ!」

「(好機!今の内に数を減らしますわ!)」

 ガシェットの攻撃が単調になった所で、大きく横に避ける。
 再捕捉までに時間がかかるのを見越して、ガシェットに狙いを付け……。

「(狙い撃ちますわ!)」

 放った弾丸は、全てがガシェットのコアを撃ち抜く。
 ……これで、相手は無防備ですわ。

「っ、くっ、ふふ……!あの子もやるじゃない」

「……貴女一人になったのに、偉く余裕ですわね」

「余裕?ええ、余裕に決まってるじゃない。貴族様お一人程度、私一人でどうにでもなるっての!」

「っ!」

 そう言うや否や、彼女は投げナイフを放ってきた。
 咄嗟に身を捻って避け……。

「え……?」

 二撃目は、何故か私の足元に刺さった。
 一瞬、手元が狂ってミスでもしたのかと思いましたが……。
 ……その答えは、すぐに判明する。

「っ……!?ケホッ、ケホッ!?」

「投げナイフ形の催涙弾とでも言うべきかしら?人一人分の範囲しかないけどぉ、随分とあっさり引っかかってくれたわねぇ」

「っ……くっ……!」

 催涙ガスが、目に染みて視界がぼやける。
 完全にしてやられてしまった。

「さぁて、どうやって痛めつけてやりましょうかぁ」

「っ……!」

 とにかく、この場に留まっていてはいけ
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