最終章:夢を追い続けて
第66話「足止めの戦い3」
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イフを一閃。
“ギィイン”と、何かを弾く音が響く。
「っ……!」
弾いたのはドゥーエの放った弾丸だ。
けど、それを悠長に聞く間もなくすぐに横に飛び退く。追撃の銃弾が来ていたからだ。
「くっ!」
「ふぅ…ふぅ…!」
息をつく間もなかったけど、こっちからの射撃で何とか間を作れた。
少し間合いが離れているけど、これで大体は仕切り直し。
違う所と言えば、私の武器は予備がない状態だ。
これは、ただでさえ劣勢な今だと、致命的とも言える。
「(打開策は……)」
どうにか場の状況を切り替えようと考えを巡らせる。
……でも、そんな事が出来る手札はもうない。
私が扱える“風”は、既に使っている。……使っていて、これだ。
「(私だと、そもそも属性を使った戦い方が向いていないみたいだからね……)」
一応、ここ数年で“風”以外にも“土”と“火”ができるようになっている。
でも、それを用いての戦闘が、私には向いていないのだ。
これは、四属性の適性と言うより、戦い方の適性だからしょうがない。
「(……間合いが離れている。動くとしたら、銃で牽制しないといけない。でも、それだと距離を詰められてまたさっきみたいになる)」
膠着状態で今は考える時間がある。その間にどう動くか決める。
けど、もう一丁の銃があればまだしも、ナイフと銃では遠距離だと有利に立てない。
距離を詰められれば、またさっきまでと同じ状況になる。
……今度武器を弾かれたら、その時はもう終わりだ。
「(どう出る……!?)」
打開策が見つからない。このままでは、実力でのぶつかり合いになる。
けど、総合的に見れば私はドゥーエに負けている。
さらには動きも少し似通っている部分もあるから、意表を突く事もままならない。
「(このままだと……)」
……これは、私一人のままだと勝てないかもしれない……。
=セシリアside=
「っ……!」
撃ち、撃ち、撃つ。
ただ撃つだけでなく、きっちりと狙いを定めて撃つ。
私へと迫るガシェットのコードを、出来る限り撃ち落とす。
「いい加減、諦めてくれなーい?正直言って、飽きたんですけどー」
「っ、そうやって余裕ぶっていられるのも今の内ですわ……!」
……でも、そうは言っても打開策が見つからない。
他の皆さんの助力を待っても、そちらはそちらで手一杯。
でも、私だけではこの状況を打破できるとは思えない。
「(……もし、“水”が扱えたのなら……)」
ブルー・ティアーズにはあった“水”の適性。
けど、私自身には適
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