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マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第45話<我々の時代>
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ベンチでの不毛な戦いを思い出してしまった。

さっき機内で散々プレスされたからこれ以上は堪忍だ。だが今日の日向は落ち着いていた。

彼女は参謀を意識して言った。
「ブルネイでの研究は……思いのほか進んでいるのですね」

「そうだな」
技術参謀が応えた。

私は操舵室を見た。
(確かに、この船を操縦している五月雨は、まだ試作的なタイプだと思えるが……どうなんだろうか?)

すると急に技術参謀が答える。
「ここの艦娘たちは、ほぼ完成型に近い。あとは安定性だな」

「は?」
(安定性? なに)

そう思った瞬間ブルネイの埠頭が視界に入った。船内の艦娘たちも会話を止めて降りる準備を始める。桟橋からも先方の艦娘たちの姿や声が聞こえる。

そして五月雨が言う。
「到着いたしました」

埠頭から見える、ちょっと開けた場所が広場のようだ。残念ながら、お祭りはしていない。私たちは次々と荷物を持って陸に上がる。

五月雨は、また司令部と交信しているらしく何度も操舵室で頷いていた。

陸に上がった私は思わず憲兵さんが居ないか確認してしまう。
(今のブルネイに居るわけないよな)

私はホッと胸をなで下ろした。バカみたいだが。

やがて五月雨は通信を終わった。彼女は到着後の内火艇の引き継ぎを他の艦娘に任せると、こちらを向いた。
「私たちの提督がお会いするそうです。執務室までご案内します」

そう言った五月雨は先頭に立って歩き出す。私たちはゾロゾロと付いていく。
(もしかして、あの大将の若い頃が拝めるのか? いや、年代が違う。あり得ないことだが……両時代の差は何年あるのだろうか?)

それは分からない。

 歩きながら周りを見る。現代のブルネイ泊地は、まだ各施設がとてもキレイだった。多くの施設が設置直後らしい。艦娘たちも歩きながら、やたらキョロキョロ見回している。同じ事を考えているようだ。

彼女たちは瞬時に弾道計算をこなす能力はあるが時空を越えるという超常現象への感覚は理解出来ないだろう。
(時間旅行ってのは、いろいろとややこしい置き土産をするものだな)

ほどなくして鎮守府本館の建物に到着した。玄関ロビーから中に入る。いよいよ提督か。果たして、誰が出てくるのだろうか。

「いよいよ現地のテートクですヨ」
「前のゴツい方を思い出します!」
金剛と比叡の会話は誰もが同感だろう。かく言う私も、そんな想像をしていたから。

五月雨を先頭に私たちは鎮守府本館の2階へと上がる。私は彼女に聞いた。
「艦娘たちも全員、面会して良いのか?」

彼女は微笑んで応える。
「提督は、皆さんが遠方から来られたから全員と挨拶しますと仰られました」

「そうか」
(うーむ、まだあの大将かどうか何
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