1.自己紹介
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とも私の前では、とてものどかな生活を、変わらない顔ぶれのみんなが営んでいた。
無論、私も変わらずここにいる。ここにいて、今も変わらず、みんなを見守り続けている。
「みかんさん。おはようございます。今年ももうすぐお花を咲かせてくれますね。……今年もたくさん、みかんを付けてください」
ただ一つ。変わったのはみんなの仕事だ。戦争が終わったから、仕事場を海から陸へと変えていたのだが……ある者はピザ屋を立ち上げ、ある者はパソコンスクールの室長となり、ある者は清掃会社でコンビで頑張り……食堂で皆に美味しいごはんを振る舞い……
「鳳翔さ〜ん。そろそろ行きませんか?」
「はーい。間宮さん先に行ってて下さーい」
「はーい。鳳翔さんも急いで下さいねー」
「よし。……ではみかんさん。今日も元気に行ってきますっ」
そして、こんな風に彼女たちは、今も変わらず私に声をかけてくれる。みかんの木である私に対し、まるで同族の人間であるかのように声をかけ、スキンシップしてくれる。
これは、そんな私と彼女たちの、なんでもない日々の記録。
とある一年間の、私達の日々の記録の物語だ。
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