仇討ち
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なら無事に逃げる方法なんていくらでもあっただろうが!!」
彼がもっとも怒っているのはホッパーが志を共にしていた仲間を巻き込んでまで評議院の険束部隊を爆発させた死なせたこと。彼はそれを聞き、深いタメ息をついた。
「彼女たちは私のことを知りすぎた。生かしておいては、アルバレスの情報が渡ってしまいかねない」
元々彼の中で国王暗殺の優先順位は高くない。むしろ、ただ騒ぎを起こすための虚言に過ぎなかったこともあり、計画自体はかなり手抜きなものだった。それに、いずれ殺してしまう大陸の人間・・・死ぬのがわずかに早くなるだけで大した問題ではない。それが、仲間を巻き込んでまで爆発を起こした理由。
「俺は・・・お前を許さねぇ!!」
その声と共に放たれたブレス。ホッパーはそれをギリギリで回避するが、周囲にいた兵隊たちはかなりの数が凪ぎ払われていた。
「いいでしょう、あなたもイザベリーの元に私が送ってあげますよ」
「お前が・・・」
反撃に出ようとしたホッパーだったが、彼のすぐ目の前に怒れる竜が飛んできていた。それに彼は驚き動きが止まってしまう。
「あいつの名前を呼ぶんじゃねぇ!!」
魔力を帯びた拳が顔面に突き刺さる。そのまま飛ばされそうになった青年の腕を掴むと、引き寄せて強烈な頭突きを喰らわせる。
「ぐっ・・・」
今の頭突きにより右のまぶたを切ったホッパーは視界の半分が失われてしまう。グラシアンはそれに気付いているのかいないのか、手を休めることなく攻撃を繰り出していた。
「ありゃりゃ、こりゃもうダメだな」
霊峰ゾニアの中腹からその様子を見ていた黒装束の男。彼は意識を失いかけている部下を見ても平然としていた。
「助けてやらないのか?」
「助ける?なんで?」
隣にいた緋色の髪をした女性に質問されると、彼はさも不思議そうに返事をした。
「お前の部隊の隊長だろ?」
「あれ?そうだっけ?」
ティオス隊隊長ホッパー、その上長であるはずのティオスは記憶にないと言いたげな表情。彼はしばらく記憶を辿っていると、その場に立ち上がる。
「しゃあねぇ、助けてやるか」
「そうしてやれ。私はもうしばらく見させてもらう」
渋々といった感じで山を降りていくティオス。アイリーンは彼を見送ると、戦っている部下たちを観察していた。
「さてさて、どうやって助けてやるかな?」
フードによってほとんど顔が見えないティオス。その中で口元がわずかに緩んでいるのが見えたが、それは悪意があるようにしか見えなかった。
ハルジオン港では、アルバレス軍に占拠されたこの場所を解放するため、|
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