仇討ち
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ュシー・・・君は勘違いをしている」
「勘・・・違い?」
彼が何を言おうとしているのかわからず首を傾げる。ウォーロッドは出血部を抑えながらある事実を告げた。
「君の妹は、生きているんじゃ」
「・・・え?」
予想だにしなかった言葉にキョトンとするリュシー。それを聞いていたジェイコブは驚愕し、オーガストはウォーロッドの方を静かに見つめていた。
イシュガルの四天王の戦う地から大きく離れた雪の舞う地、霊峰ゾニア。その麓では、アルバレス軍とセイバー、天馬の連合軍が戦っているわけなのだが・・・
「テメェが・・・ベリーを殺したのか?」
「まぁ、そう言うことになるでしょうね」
スプリガン16のメンバーであるブラッドマン、ゴッドセレナに見向きもせず、軍隊の隊長を務めているホッパーに対し、怒りが抑えられないグラシアン。平然としている敵の姿が、彼のそれを増幅させていく。
「感謝してほしいものだ。彼女を脱獄させてあげたのも私なのだから」
その瞬間、グラシアンはドラゴンフォースを解放した。それを見てホッパーも戦う姿勢に入ったが・・・
「お前があいつをそそのかしたんだろうが!!」
目にも止まらぬ速さで飛び込んできたグラシアン。彼の拳がホッパーの脇腹を完璧に捉えた。
「グハッ!!」
ホッパーは敵の動きを瞬時に見切る能力がある。それにより国王暗殺の際に一夜を始めとした青い天馬のメンバーを一掃したわけだが、グラシアンの攻撃に全く反応が追い付いていない。
「あいつは何もなければあと2年・・・あと2年で出てこれた!!そしたら何事もなく平穏に暮らしていたはずなんだ!!」
胸ぐらを掴み額を押し当てるグラシアン。ホッパーは怒れる竜に対し、笑いを堪えながら口を開く。
「そもそも彼女の自由を奪ったのは君だ。君が誰かを責めることなんかできないだろ?」
「ああそうだ!!その通りだよ!!」
思わぬ回答に目を見開くホッパー。グラシアンは顔を離すと、彼の頬にストレートパンチを喰らわせる。
「でも・・・なんであいつがこんな想いをしなきゃならなかったんだよ!!まだまだやり直すことなんてできたじゃねぇかよ!!」
自分とほぼ同い年である彼女ならば、刑が終わった後に真っ当な生活に戻ることができたはず。彼女の感じから察するに、恐らくそそのかされたから国王暗殺に加わってしまったのだとグラシアンは感じていたのだ。
「それは私に言っても意味がないよ」
「うるせぇ!!」
ぶつかり合う2人の拳。魔力の大きさは同等なのに、それでもグラシアンの攻めは収まることを知らない。
「なんであいつを・・・仲間を巻き込んだ!?逃げてぇ
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