第29話 ロレントでの日常
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性はいなかった、となるともう既に塔の中に入ってしまったかもしれない。
「急がないと……!」
俺は意を決して翡翠の塔内部に入って言った
「さっきの人は……いた!」
翡翠の塔を登り四階まで来た、そこで先程の男性を見つけた、案の定魚のような魔獣に襲われかけていた。
「八葉一刀流、八の型『破甲拳』!!」
気を込めた掌底を魔獣に叩き込み吹き飛ばす、魔獣は壁に叩き付けられて消滅した。
「大丈夫ですか?」
「君はさっきの……いやはや、恥ずかしい所を見せてしまいましたね。逃げ足には自信があったのですが流石に今回は死を覚悟しましたよ」
男性は立ち上がりハハッと苦笑を浮かべた。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はアルバ、考古学者をしています」
「俺はリートと言います。アルバさん、ここは危険です。一度町まで戻って遊撃士協会に依頼された方がいいですよ」
「確かにそうしたほうが良かったですね、ですが後少しで屋上に出ますからここで戻るのも……」
「……はぁ、なら一緒に行きましょう。この辺にでる魔獣なら俺でも対処できますしこのまま放っておけませんから」
「そうですか、それはありがたい。是非お願いします」
本当ならさっさと町に戻ったほうがいいんだろう、けどこの人放っておいたら危ないしあと少しで目的地に着くならそこに向かってから帰ってもいいだろう。
「アイナさん、カンカンだろうな……」
帰った後の恐怖を感じながら俺はアルバ教授と一緒に屋上に向かった。
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「随分と高いな……でもいい景色だ」
翡翠の塔の屋上についた俺はそこから見える絶景に目を奪われていた。
「いやー、これが翡翠の塔ですか!この台座といい調査のし甲斐がありますねえ」
「アルバ教授は考古学者なんですよね、何を調べにここに来たんですか?」
「そうですね、リート君は『セプト=テリオン』という言葉を知っていますか?」
「確か古代人が空の女神から授かったと言われる『七の至宝』のことですよね」
昔マリアナ姉さんに眠るときに聞いたおとぎ話、その話の中に七の至宝という言葉があったことを思い出した。
「ええ、その通りです。彼らはこの至宝の力を使い海と大地と天空を支配した、更には生命や時間の神秘すら解き明かしたと伝えられているのですがおよそ1200年前、古代文明の滅亡と共に『セプト=テリオン』も失われました」
「へえ……もしかしてその事とこの塔になにか関係があるんですか?」
「鋭いですね、その通りです。『七の至宝』の一つである『輝く環』がリベールに隠されているという伝説があるん
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