第29話 ロレントでの日常
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しそんなに気にしなくてもいいじゃない」
「うん、でもあの状況で僕だけは魔獣に対して可哀想とか許したほうがいいとかそんな考えは無かったんだ。あくまでも効率を考えて魔獣の駆除を選んだ、それって僕は心が冷たいってことなんじゃないかな……」
「ヨシュア、それは考え過ぎよ。さっきも言ったでしょ、助け方なんて人それぞれだって。だから正解の答えなんてないの。貴方の考えもある意味正しいしあんまり思いこみ過ぎると辛いだけよ?」
「アイナさん……すいません、少し卑屈になっていました」
ヨシュアさんはアイナさんに頭を下げて二人は新しい依頼を受けてそれに向かった。でもヨシュアさんも俺と同じことを考えていたのか……
(色んな答えがある、か……考えさせられる言葉だな)
絶対な正解なんてないのだろう、迷って悩んで人は自分なりの答えを見つけていくものだ。まあ今も悩んでいる俺が偉そうに言える事じゃないんだけどね。
俺は自分でそう思い苦笑して掃除を始めた。
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「ふう、こんなものかな」
「あの、ちょっといいですか?」
俺はギルド前の道を箒で掃除していた。アイナさんは礼拝堂に用事があるそうで直に戻ってくるからと留守番を頼まれていた、キリがついたので箒をしまってギルドに入ろうとしたが誰かに声をかけられた。声がしたほうに振り返ってみると眼鏡をかけた男性が立っていた。
「えっとなにかご用でしょうか?」
「翡翠の塔と呼ばれる遺跡を知らないでしょうか?そこに用があるのですが場所が分からなくて……」
「翡翠の塔?この町から見て北の郊外にありますが……」
男性が効いてきたのは偶然か俺が倒れていた場所だった。そのことをカシウスさんから聞いてたので場所は知っていたがつい話してしまった。だがそれがいけなかった。
「ああ、そちらのほうでしたか。ありがとうございました、早速行ってみます」
「あ、ちょっと待ってください。山道には魔獣が……」
止めようとしたが見かけよりも機敏で直に姿が見えなくなってしまった。
「不味いな、アイナさんに話そうにも彼女は用事で今ギルドを留守にしてるし……」
マルガ山道や翡翠の塔には魔獣がいるので一般人が行くのは危険だ。さっきの男性は武器らしきものを持っていなかった、このままじゃ魔獣に襲われて殺されてしまうかもしれない。
本来ならアイナさんを呼びに行くのがベストだが間に合わないかもしれない、それに自分の迂闊な行動が原因だと思い焦った俺はマルガ山道に向かった。
「くそ、道中にはいなかったな。もう塔の中に入ってしまったのか?」
マルガ山道を走ってきたがさっきの男
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