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儚き想い、されど永遠の想い
333部分:第二十五話 強い一歩その八

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第二十五話 強い一歩その八

 そうして話してだ。二人もまた。
 義正と真理について話してだ。動くのだった。彼等も理解したのである。
 そしてだった。彼等は。
 まずは婆やがだ。二人のところにだ。
 その生姜入りの紅茶を差し出してだ。言うのである。
「どうぞ」
「紅茶ですね」
「はい。お飲み下さい」
 こう言って差し出したのである。その紅茶を。
「そうしてお楽しみ下さい」
「有り難うございます」
 真理が笑顔で婆やに応えて言葉を返した。
「それでは」
「ごゆっくりとお楽しみ下さい」
「そしてです」
 ここでだ。佐藤も来てだ。二人に言った。
「御風呂も用意してありますので」
「御風呂もですか」
「もう暫くしたら入られます」
 そのだ。風呂がだというのだ。
「ですから。お茶の後で」
「はい」
 真理が微笑んで応えた。そうしてだった。
 その微笑みでだ。佐藤に答えた。
「ではお茶の後で」
「そうして下さい」
「身体を温めることですね」
 聡美は自分からこんなことも言った。
「やはりまずは」
「御身体をですか」
「はい、病には」
 労咳のことはだ。もう隠していなかった。それでだ。
 立ち向かう顔になりだ。真理は言うのだった。
「それが一番ですから」
「そうですね。確かに」
 真理に言われてだ。佐藤もだった。
 頷いてだ。そうしてから答えたのだった。
「では。是非です」
「温めさせてもらいます」
「私もまた」
 ここでだ。佐藤もだ。
 深く思う顔になりだ。そのうえでだ。
 共にいる義正にだ。こう言ったのである。
「あの」
「何だい?」
「私はこうまでなれるのでしょうか」
 こうだ。彼に尋ねたのである。
「旦那様と奥様の様に」
「私達の様にですか」
「はい、なれるのでしょうか」
「そういえば君もまた」
「今度子供が生まれました」
 彼はだ。そうなったというのだ。
「そしてその子と共に」
「生きていく」
「しかしです」
「しかし?」
「私は今は」
 どうかというのだ。二人に対して話していく。
「御二人の様なことがあってもそうできるのか」
「不安なんだね」
「そうなりました」
 こう話すのである。二人、とりわけ義正に対して。
「私自身か妻、子供にそうしたことがあっても」
「大丈夫だよ」
 しかしだった。義正がだ。佐藤に対してこう答えたのだった。
 そしてだ。あらためて告げたのだった。
「それは思うことがあれば」
「それがあればですか」
「最後まで共にいたいと思えば」
 それがあればだというのだ。彼もまた。

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