ペルソナ3
1969話
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治にはしっかりと報告してあるが、それでも長年の部下をすぐに裏切り者だと判断するのは難しい、といったところか。
それだけに、しっかりとした証拠が出てくれば武治もきちんと動くようになると思うが。
そんな風に思いつつ、俺はゆかりの方に視線を向ける。
そこにあるのは、当然と言うべきか面白くなさそうな表情。
いやまぁ、過去の件を思えば武治に対して敵愾心を持つなという方が難しいのだろうが。
それでも、以前よりは若干……本当に若干だったが、武治に、そして桐条グループに対しての態度が収まったように思える。
これだけでも、今回屋久島に来た意味があったんだろうな。
美鶴と話していた武治は、やがて離れた場所にいる俺達に気が付いたのだろう。小さく頷くと、そのまま美鶴との会話を終えて車に乗り込む。
実は親馬鹿の武治だったが、ゆかりを前にするとやっぱり罪悪感があるんだろう。
娘との会話を強引に切り上げるくらいには。
ともあれ、そうして話を切り上げた武治は、車に乗って走り去る。
ちなみに俺の方を見て頷いたのは、映像の加工や幾月の裏切り疑惑について、しっかりと調査するというのを態度で示したのだろう。
武治が乗った車は俺達の横を通り……その本人は特にこっちに視線を向けたりしないまま、走り去る。
「……アクセル、岳羽も。どうした? まだ、昼食まではもう少し時間があるぞ。折角の屋久島なんだ。もう少しゆっくりしてきてもいいのではないか?」
俺とゆかりに気が付いた美鶴が、そう言ってきた。
武治との話が途中で切り上げられたことを残念に思っているのは間違いないのだろうが、それを俺達に感じさせないようにという、そんな気遣いが感じられた。
そんな美鶴に、俺とゆかりは並んで近づいていく。
美鶴が俺達を見て少しだけ不思議そうな表情を浮かべていたが……ともあれ、俺達は昼食の時間まで3人で話をするのだった。
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