ペルソナ3
1969話
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意してくれるんだよな? なら、散歩しながら別荘に戻らないか?」
「まぁ、今から泳ぐかって言えば、そんな気分でもないしね。時間もそんなにないし」
特にやるべき事もないからという事で、別荘の周囲を散歩する事になる。
ここまで来ると、もういつ知り合いに会うか分からないという事で、ゆかりは俺と手を繋ぐような事はなく……
「おう、アルマー、岳羽も。2人は散歩か?」
「え? あ、はい。真田先輩は……聞かなくても分かりますね」
「ふふっ、そうだろう、そうだろう。やはりこのような場所に来たからには、しっかりと走っておこうと思ってな。良ければお前達もどうだ?」
ランニングに誘ってくる真田だったが、ゆかりも……そして当然俺も、それには首を横に振る。
何が悲しくて、わざわざ今から走らなきゃいけないんだよというのが、俺の正直な気持ちだ。
真田にとっては、屋久島のような場所でトレーニング出来るってのは、嬉しい事なんだろうが。
東京だと、どうしても空気が汚いし、その気持ちも分からないではない。分からないではないんだが……だからって、俺が走りたいかと言われれば、当然否だ。
「俺は止めておくよ」
「私も止めておきます。縄文杉を見てきた余韻に浸っていたいので」
「そうか? 分かった。なら、俺は走ってくるぞ」
そう告げ、走り去る真田。
トレーニング中毒と呼ぶべき真田だったが、人にそれを強要したりしないのは助かる。
……時々プロテインを勧めてくるのは、正直どうかと思うが。
やっぱり、料理に直接プロテインを掛けるのとかって、どう考えてもおかしいよな。
真田の味覚、大丈夫か?
そう思わないでもないが、牛丼を好んで食っているのを見れば、普通の高校生らしい味覚をしているようには思える。
もっとも、ボクシング部に所属している真田が、牛丼を何杯も食うのは、体重的に危ないような気もするんだが。
「じゃ、行きましょ。別荘の方に向かえば、何かあるかもしれないし」
真田が去った事により、ゆかりは俺にそう言ってくる。
「そうだな。何か面白いものでもあるかもしれないし」
そう言うものの、桐条グループの別荘の近くだ。
何か怪しげなものとか、そういうのがあった場合、即座に撤去されてしまうのは間違いないだろうが。
それでも、このままただ歩いているよりはマシだろうと、別荘に近づいていくと……
「もう、知りません!」
道の先から、そんな声が聞こえてきた。
それも、聞き覚えのある声で。
ただ、唯一意外だったのは、その声を発した人物は普段なら今のように叫んだりしないという事が分かっていた為だ。
もし何かをされても、それを受け入れて反抗しない性格。
実際、学校で苛められている時も特に現
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