第12話
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1000年以上生きていられるでしょうね。』
『で、でも流石に1000年も生きていたら自分の見た目が成長しないことに気づいてもいいんじゃないかしら。』
『いいえ、白夜は目と能力のせいによってとても長い間地下牢獄に閉じ込められていたの。いつ夜を迎えて朝を迎えて、いつ1日が終わって、いつ自分の誕生日が来て…そんな事さえもわからなかった上で、長い間生かされていたのなら、そういうことに気づけないのがむしろ普通なのよ。』
『…………』
あまりに重たい内容の話に返す言葉がない霊夢。
先程とは違う気持ちで白夜と魔理沙を見つめてしまう。
でもすぐ目線を足元に落としてしまった。
見ているのが苦しくなったのだろうか、赤い自分のスカートをぎゅっと握りしめた。
『…でも、そんな拷問のような生活を送っていたのに…、よく生きていようと思ったわね。そこまでして、生きていたい理由でもあるのかしら。』
『……さあ、 わからないわ。』
そのまま暫く、魔理沙と白夜の二人をただ見つめた。
魔理沙に能力の扱い方を基礎から教わったお陰で、先程よりは幾分マシになっているように見受けられた。
白夜のW事実、又は結果をねじ曲げてしまう程度の能力Wは、思っていたよりも数倍強力のようで、
色々な面でまだ未熟な白夜は、結局まだ無意識下で発動させてしまうことはあるようだった。回数が減った分、まだ良くなった方だろう。
そうして、数時間すると二人は特訓をやめた。
いつの間にか、空を覆っていた赤い雲も、星のような光を放つ青い雪も降らなくなっていた。
『おーい咲夜、霊夢。こいつの身体能力みたか?』
『え?』
『白夜、ただの猫叉じゃないぞ。身体能力があまりにも優れすぎている。少しのジャンプで数十メートルも一気に上昇なんて、普通の猫叉にできないだろう。普通なら』
『……!?』
聞くだけで驚くほどの凄さを目の当たりにし、ひどく驚いた様子の霊夢。
息を荒くし、汗が滴り落ちている白夜にタオルを差し出す咲夜。
魔理沙は指導をするだけで大して動いたり能力を使ったりしていないため、それほど疲れた様子はない。
『そ、それにしてもよ。白夜って名前、本当にぴったりじゃないかしら?』
驚きを誤魔化すのように話題を無理矢理変える霊夢。
『え?適当につけただけなのだけれど…まあ、ちゃんとした意味合いはあるのだけれど、どうして?』
『白夜って、ずっと明るいままで、日が落ちない事を言うのよ。南極とか寒くて日が沈まないそうよ。
…白夜の髪、そのずっと明るい空とそっくりじゃない。』
さらり、と白夜の髪に触れる。
十数年で成長が止まっているせいか、髪質はとても良質なもので、手触りも柔らかく、色は白く輝いていた。
そんな髪に対し、夜空を映した射影機の様な目
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