入学編
一科生と二科生
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
で足を止めて振り返る。
「君たち二人の名前を聞いておく」
「一年E組、司波達也です」
「同じく一年E組、不知火深紅です」
「……覚えておこう」
いっそ、結構ですと言いたかったが、そこは心の中だけにとどめておく。
「……借りだなんて思わないからな」
摩利と真由美の姿が完全に見えなくなってから、森崎が達也と深紅の方を向いた。
「貸しだなんて思ってないから安心しろ」
その冷めた言い方が癪についたのか、森崎がキッと達也を睨む。
「俺はお前を認めないぞ司波達也、不知火深紅。司波さんは僕たちと一緒に居るべきなんだ!」
「やれやれ。本当に器が小さいのね」
呆れを混ぜた言い方で、深紅が森崎の方を見つめた。
「なんだと……!」
さらに視線を鋭くして、森崎が深紅を睨む。
「高校生なんだから、もう少し精神面で成長したら?深雪が誰と居るべきか、なんて、深雪が決めることであってあなたが決めることではないでしょう?」
あたりの気温がさっきよりも暑く感じるのは、気の所為ではないだろう。
深紅は、達也や友達を馬鹿にされたことに対して、激しい憤りを感じていた。
深紅の鋭く、怒りの熱を孕んだ視線に怯えたのか、森崎は逃げるようにその場を立ち去った。
「深紅。もう落ち着け。暑い」
達也がそう言って少し手を挙げると、あたりの気温が通常に戻る。
「あ、ごめんね達也。ありがとう」
深紅が達也の方を見上げ、にっこりとお礼を言う。
「別に大したことじゃない。いつものことだからな」
「何か一言多くない?」
「あ、あの!」
その時、割り込むように一人の女子生徒が達也に話しかけてきた。
先程閃光魔法を発動しようとした女子だ。
「わたし、光井 ほのかです」
いきなりの自己紹介に、深紅たちがかすかに驚きの表情を浮かべながら首をかしげる。
「わたしは北山 雫です……」
続いて、ほのかの隣にいた、少し表情の乏しい生徒が名前を告げた。
「さっきは庇っていただいてありがとうございました。森崎君はあぁ言っていたけど、今回大事にならなかったのはお兄さんのおかげです」
そして、ほのかが少し熱を孕んだ口調でこう言った。
「いや、実際説得したのは深雪だよ?それと、お兄さんはやめてくれないか。一応同い年なんだし」
「じゃあなんとお呼びすれば?」
「別に、達也でいい」
「わかりました。それで……あの……」
今まで饒舌だったのが、急に口ごもり出す。
再び全員が首を傾げ……
「帰り、ご一緒してもよろしいですか?!」
これには、全員の顔に、はっきり驚きと戸惑いの表情が浮かんだ。
??????
「では、司波さんのCADを調整しているのは達也さんなんですか?」
帰り道、達也の左隣を独占して居るのは何故か、先程知り合ったばかりのほのかだった。
そして張
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ