入学編
一科生と二科生
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おっ、自己紹介がまだだったな。俺は西城 レオンハルトだ。親父がハーフ。お袋がクォーターなせいで名前は洋風だが顔は純日本風。得意魔法は収束系の硬化魔法。志望コースは体を動かす系。警察の機動隊とか山岳警備隊がいいな。レオでいいぜ」
「俺は司波達也だ。達也でいい」
「オーケー達也。で、得意魔法はなんだ?」
「技術系は苦手でな。魔工技師を目指してる」
「なーる。頭良さそうだしな、お前。で、そっちは?」
「わたしは不知火深紅。わたしのことも深紅でいいよ。得意魔法は振動系加速魔法。ってかそれ以外の魔法はほとんど使えないの。将来のことはまだ考えてないわ」
深紅は将来、正式に軍に入ることがほぼ決定しているのだが、あえてそこは言わなかった。
「よろしくな、深紅。振動系加速っつーと、加熱魔法か?」
「うん、そうだよ」
「深紅を怒らせない方がいいぞ、レオ。あたりの気温が一気に上昇する」
ニヤリと笑いながら達也が言う。
「へぇ〜、そりゃ危ないな。気をつけておくぜ」
それに応えるレオもニヤニヤと笑いながら言った。
「そんなに怖くないよー。わたしほとんど怒らないもん」
「何言ってるんだ?俺は今まで、何度か気温の急上昇を抑えた記憶があるんだが?」
達也がそう言った時、
「えっ?!深紅ってそんなに事象干渉力が高いの?」
突然、エリカが達也たちの会話に食い気味で割り込んできた。
事象干渉力は国際魔法基準の一つにも指定されている。二科生である深紅の干渉力が高いと言うのには不自然な言葉だったのだろう。
「深紅、こいつ、誰だ?」
しかしエリカの食いつき方に若干引いたのか、レオがわずかに身を引きながら深紅な尋ねる。
「うわっ、いきなりコイツ呼ばわり?!しかも指差し?!失礼なヤツッ!失礼なヤツッ!失礼なヤツ!!これだからモテない男は」
「なっ?!失礼なのはテメーだろうがよ!ちょっとばかり顔がいいからって調子乗ってんじゃねえぞ!」
「はぁ〜?ルックスは大事なのよ。それよりなーにぃ?その、時代を一世紀間違えたような古臭い格好は。今時そんなのはやらないわよ?」
「なっ、なっ、なっ……」
バカにしたような表情でさらりと暴言を吐くエリカに、絶句が今にも唸り声に変わりそうなレオ。
このまま放っておいたらどんどんヒートアップするのは目に見えていた。
「ちょっと、エリカちゃん。言い過ぎだよ……」
「レオももうやめとけ。お互い様だし口じゃ敵わないと思うぞ?」
「……美月がそう言うなら」
「……分かったぜ」
口ではそう言いながらも鋭い視線はぶつけ合ったままのエリカとレオ。
似たような気の強さと、負けず嫌い。
−−−この二人、実は気があうんじゃないかな?
本人たちが聞いたら全力で否定してきそうなことを、深紅は思っていた。
??????
予鈴がなり
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