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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百六話 また、一つの章が終わりました。
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すことはできません。」
キルヒアイスの静かな、だが断固とした言葉にラインハルトは彼を見た。
「ですが、ラインハルト様の御言葉を聞いて私も思ったのです。やはり復讐にとらわれすぎていてはやがて自分自身も歪んでしまう。そして気が付きました。やがては自分自身を滅ぼす事に。それだけならばまだしも、周りの者に影響を及ぼすことにもなりかねないものだという事に。」
キルヒアイスの淡いブルーの瞳が揺らめいた。
「一方でまた、こうも思うのです。そうは思っていても、わかっていても、仮に私にとって大切な人を失った時、私は私でいられるのだろうか、と。」
「俺もだ。姉上は生きてまた俺たちのところに戻られた。だがもし・・・・いや、やめよう。」
ラインハルトは片手を振って、自身の脳裏に浮かんだであろう恐ろしい予見を払いのけようとした。彼はワイングラスを唇に傾け、のどを潤すと言葉を続けた。
「ブラウンシュヴァイクを討伐しえたとはいえ、未だ帝国に残る残存戦力は侮れない。敵側の将兵のみならず、その遺族も含めてという意味だ。今後俺たちはそのことも考えなくてはならないな。消し去ろうとしても復讐は消えぬ。だが、それから目を逸らすことは許されない。しかしそれに構い続けることはかえってそれにとらわれ続け大局を見る目を失うことになる。・・・俺の言う意味が分かるか?」
「フロイレイン・フィオーナの事ですね。確かに彼女は優しすぎる面があると思われます。フロイライン・マリーンドルフも同様の意見をお持ちでしたが、あれは情に流されず、大局を見据えての意見だと思います。」
お前もそう思うか、とラインハルトはうなずいた。
「フロイレイン・フィオーナは稀有な人間だ。艦隊指揮官としても俺やお前の次に間違いなくくる人間だろう。行政においても能力はある。だが、時として情や優しさを優先する傾向にあり、それが災いになりかねないところもある。実はイルーナ姉上も先日見えられてそのことを話されたばかりだったのだ。」
彼女は優しすぎるわ、という言葉をどこか複雑な表情で語った「姉」の事を思い返していた。
「それはフロイレイン・フィオーナ自身の美徳であり、何ら変わる必要はない。だが、その点をつめていくと、フロイレインには実戦部隊の長である宇宙艦隊司令長官は荷が重い。副司令長官、あるいは軍務省次官あたりが限度だろう。軍を総覧する立場はフロイレインには荷が重すぎる。長を輔弼することこそフロイレイン・フィオーナの能力を最も活かす立場だろう。」
かといって、フロイレイン・ティアナのようになられてもそれはそれで困るがな、とラインハルトは冗談交じりに笑った。
「近いうちに、人事刷新をなさいますか?」
「いや、それはまだ早い。こちらの体制も盤石ではないし、何より決戦を控えての理由もない更迭は様々な憶測を呼ぶこととなろう。」
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