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新訳紅桜篇
22 中2病をこじらせたら、後遺症が残る。
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一応、自分の部屋に戻ってみたが、荷物も何もかも消えていたのを確認してから、しぶしぶ晋助(かれ)の部屋に向かってみた。

案の定、私の荷物も置いてあったが、肝心の晋助がいない。どこにいったのか、は分からないがとりあえず、もうすぐお別れかもしれない船の見学に出掛けることにした。運が良ければ、またヅラにも会えるかもしれない。



という訳で船をうろちょろしていると、ある部屋から話し声が聞こえてきた。

_「こっぴどくやられたものですねぇ〜、
  紅桜を勝手に持ち出し、さらにそれほどの深手を負わされ逃げ帰ってくるとは。腹を斬る覚悟はできてい
ますよねぇ〜?岡田サン?」

_「片手を切り落とされてもコイツを持ち帰ってきた勤勉さを評価してもらいたいもんだよ。
  コイツにもいい経験になったと思うんだがねぇ。」


 待てよ、これ…似蔵!?


_「アンタの最近の身勝手ぶりは目に余るものがあるッス。しかも、晋助様を刺激するようなヤツばかり狙って。一体なに考えてるんスか?幕府の犬に、紅桜の存在を知られたらどうするつもりッスか?アンタ、晋助様の邪魔なんスよ。しかも桂の次は坂田銀時ィ?
  アンタ、自分が強くなったとでも思ってんスか?
勘違いすんじゃないよ。アンタが桂に勝てたのは、全て紅桜の…」


嫌な音が響く。
また子の苦しそうな声が聞こえた。
首でも絞められているのだろうか…?

何とも痛々しい音だった。


_「おぉ〜っとォ、悪くは思わないでくれ、最近すっかり侵食が進んでるようでねェ、もうオレの体は自分のものと思ってるらしい。オレへの言動は気を付けた方がいい。」


なんと、聞こえてくる似蔵(かれ)の声が、
もはやもとの彼ではない。

これは晋助に伝えるべきか、


迷いに迷ったが、結局晋助(かれ)には似蔵が危ない、とだけ伝えることにした。




晋助を探してあるいていると、不意にヅラを手引きした倉庫の前に来ていた。

鍵が空いていたので、もしかしたら… という期待も込めて、そっと中に入ると、案の定晋助の声と…

アレ?この声は…?

_「酔狂な話じゃねェか、大砲ぶっぱなしてドンパチやる時代にこんな刀作るたァ。」

_「そいつで幕府を転覆するなどと大洞をふく貴殿も、十分酔狂だと思うがなぁ。」

 そう、この声をどこかで聴いたことがある、と思ったら、村田だった。

晋助がチロッと話していたのを小耳に挟んだのを覚えている。


_「ホラを実現させて見せるホラ吹きがァ、英桀とよばれるのさ。
  オラァ できねェホラはふかねぇ。

  しかし、さすがは希代の刀匠、村田仁鉄が一人息子。まさかこんな代物を作りだしちまうたァ、
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