第100話 木偶
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ゴキュ……ゴキョォォォォォォォオォ……
硬いものと硬いものがぶつかり合い、圧縮された袋がパンパンと膨れて破裂する音がすると灼けた皮膚と灼鉄の臭いが辺りを包み、黒く変色した血がボタボタと一塊が落下してコンクリートの窪みや瓦礫の先端へ固形物の流動物として火山物の粘り気を彷彿させながら乾いた砂を侵食する。
「はあ……はあ……」
ミサカネットワークを解除した御坂が袖口で鼻を拭う。生身の人間相手に手加減一切無用の一撃を打ち込んでしまい暫し「やりすぎた……」という思いが過りながらも顆粒が集まり復活する様子も同時にイメージしてしまい息を切らしながらも落下するはずの焼、圧死体が落下しない懸念を巡らす。
「分かっているわよ……第二形態はお約束よね」
御坂はネットワーク接続による激しい疲労感を拭い去るように足を一歩踏み出して青白く自分本来の電撃を滲ませて立ち込める硝煙に向けて超電磁砲を打ち込みだす。
電磁が直撃してもなお同じ姿勢で宙を舞い続け、掻き消された硝煙に浮かび上がる影は不気味に触手のようなものを幾本も重ねて燃える炎のようにユラユラと動くと身体の中心の球体へと折り重なった。
月からの光は人工光源よりも明るく、影一つもこの世に残さないように照らし出して闇を炙り出しているが射さぬ所の暗闇の中で凝縮し、胎動を始めていた。
「いっ!?」
煙が晴れると液体状の黒い影の中心にポッカリ空洞が空いており、生々しい黒い心臓が拍動しながらベアリングレスモーターのように浮いている。
燃費の悪いエンジンのように黒い煙を吐き出しながら影が穴を塞ぐと紫の炎を上げながら千切れていた七本の尾が上空で結合し天を覆う。
「……?」
学園都市が斑模様のような背景になりだし、腕を差し出すと膨大なチャクラを集中させて回転する黒い尾獣玉を誰もいないビルの上に向かって発射した。
いやグニュグニュと身体のあちらこちらが歪に膨張し、覆っていた尾が千切れていく。まるでゴム風船の掴んで揉みこんでいるような規則性のへったくれもないチャクラの流れに右腕だけが大きく膨張して御坂に向けて叩きつけるように異様に伸びた巨大な腕が迫る。
「こ、この!?」
超電磁砲を打ち込もうとするが予測できなかった事によるコンマ数秒遅れ、逃げる事への絶対的な遅れに身体が強張った刹那……
シュン!
御坂の背中にチャクラ糸がくっ付いて引っ張りこまれるように後方の街頭の上に上げられた。
「えっ!?」
フワっと何もない空間に抱き抱えられるとそのナニカは街頭をまるで這うように移動してビルの窓に平行して移動していく。黒い怪物となったマダラはそのナニカを眼で追うと七つの尾をしならせて高速で移動すると御坂もろとも蹴り上げようとするが御坂に当たる寸前でスピードの角度が変わり避けていく。
「……!」
マダラは焦点の合
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