ペルソナ3
1968話
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「……え?」
ゆかりは、一瞬俺が何を言ったのか分からないといった様子でこっちを見てくる。
まぁ、無理もない。まさか自分が告白した相手が人間ではない――そちらはシャドウと戦っている影時間の経験からか容易に受け入れられたのだが――のはともかく、まさか俺に恋人が10人以上いるなどというのは、完全に予想外の事だったのだろう。
……いや、普通にそれを予想しろという方が無理か。
おまけに恋人どころか養子すらいると言われたのだから、ゆかりが混乱するのは当然だった。
「えっと、恋人はいるって話は聞いてたけど……養子も? ……それ、何かの冗談?」
「いや、正真正銘本当だ。俺には恋人が10人以上いるし、養子も2人いる」
あれ? ラピスはともかく、ルリは養子扱いじゃなかったか?
いや、何だかんだとまだ10代前半なんだから、ルリにはまだ保護者が必要な筈だ。
そう考えれば、ルリも俺の養子扱いって事で間違いはない筈だ。
「な……ちょっ、ちょっと待って。ちょっと信じられないんだけど……」
「だろうな。俺もそう思う」
「そう思うって……そもそも、何でそんなに恋人がいるのよ。まさか、それに養子まで。……アクセルが自分で作った恋人や養子なんでしょ? なのに、何であんたはそんな風にお気楽なのよ」
驚きも度を超すと寧ろ平静になるのか、ゆかりは特に怒った様子を見せたりはしない。
「そう言われてもな。……ちなみに、俺の恋人達は全員ホワイトスター……シャドウミラーの本拠地で一緒に暮らしているぞ。同棲って奴だな」
「ど、ど、同棲って、それも10人以上一緒に!? 一体、どうなってるのよ、あんたは!」
とうとう我慢の限界を超えたのか、ゆかりは叫ぶ。
まぁ、一般的な常識では受け入れられるような話ではないというのは、俺も理解している。
この様子だと、ゆかりは俺と距離を置く事になるのかもな。
もっとも、ゆかりが最初に俺と一緒に行動すると決めた時とは違い、現在は美鶴達もいる。
俺と別行動を取るようになっても、ゆかりがタルタロスに挑めなくなるという事はない筈だ。
美鶴にとっても、最強のペルソナ使いのゆかりという戦力は是非欲しいだろうし、戦力的な問題を抜きにしても、2人の仲は良好なのだから、一緒に行動するのは寧ろ望むところといったところか。
半ばそんな風に予想しながらも、俺は説明を続ける。
「例えば、ゆかり。お前の事を思ってみてくれ」
「え? 私?」
「ああ。俺と一緒に行動するようになって、お前は俺に恋心を抱くようになった。そうだな?」
「……まぁ、そうね」
ストレートに言われるのは、やはりゆかりにとっても照れくさいのだろう。
頬を赤く染め、視線を逸らしながら……それでも頷いてくる。
自分でも
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