進軍
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なるとは夢にも思わなかった。
「なぜ裏切った・・・ね」
ジュラにはまだ好意的な顔をしていた彼女だったが、その質問で雰囲気は一転。彼女は彼も敵と認識し、笑顔が完全に消えた。
「先に裏切られたのは私。私にはこのイシュガルを滅ぼさなければならない使命がある。それを為すためにアルバレスに渡ったのよ」
そう言った瞬間、リュシーは一際鋭い目でウォーロッドを睨み付ける。彼はそれに目を伏せた後、奥歯を噛み締めつつ顔を上げた。
「ジュラくん、あの子は私たちの知るリュシーではない。彼女は倒さなければならない敵だ。それに・・・」
彼女の後ろでやり取りを見届けている2人の男。彼らの情報を持っている四天王の3人は、気を抜くことはできない。
「暗殺魔法の天才ジェイコブ、古今東西あらゆる魔法を修得したという魔導王オーガスト。もしここを突破されれば、私たちの負けは確実じゃ」
敵の最強クラスの魔導士に暗殺を得意とする魔導士。ここで彼らを必ず止めねばならぬと彼らは臨戦体勢に入ると、オーガストとジェイコブも戦う姿勢になる。
「待って、2人とも」
その2人を右手で制するリュシー。オーガストはそれを見て彼女が何をしたいのかすぐに察した。
「ここは私1人でやらせてもらってもいい?」
「よかろう。ジェイコブ」
「わかっている」
臨戦体勢を解除した2人の16。それを見た瞬間にウルフヘイムが接収で巨大化した。
「私たちを見くびっているのか?リュシー」
「そんなことないわ。あなたたちの強さはよくわかってる。でも・・・」
右手に魔力を溜めていくリュシー。ウルフヘイムは彼女に先制攻撃を許すまいと飛び込むが、彼女はそれを待っていた。
「あなたたちは必ず殺さなければならないの」
魔力が溜まった右手を向けウルフヘイムの体を貫く。目にも止まらぬ攻撃にジュラは唖然とすることしかできなかった。
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