進軍
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ティングとローグは面を食らっている。一方のゴッドセレナは、彼が自分に突進してきていると勘違いしていた。
「そんな隙だらけじゃ、俺には――――」
「邪魔だぁ!!」
手にひらを向けて攻撃してこようとした聖十最強の男を肘で退け直進する。尻餅をついたゴッドセレナも三大竜の2人も、彼が何をしようとしているのか理解できずにいた。
「お前!!」
「!?」
部下たちに指示を出していたことでこちらに気が付いていなかったホッパーを押し倒すグラシアン。ホッパーは彼の顔を見て驚いていたが、すぐに何がしたいのかわかった。
「私がなぜここにいるのか、気になるのですね」
「お前・・・あの爆発で死んだんじゃなかったのか!?」
彼の最愛の女性がなくなることになった大爆発。多くの人が命を落としたその場に彼もいたはずなのに、なぜ平然とこの場にいるのか意味がわからなかった。
「簡単なことです、私があの爆発を起こしたからですよ。脱獄するためにね」
「なんだと?」
グラシアンを払い除け立ち上がるホッパー。押し返された彼は男のその言葉に怒り、顔に血管が浮かび上がっていた。
フィオーレ東方、建物も人も何もない荒れ地。そこでは7人の人間がそれぞれ向かい合っていた。
「あら、久しぶりね、四天王の皆さん」
3人側の先頭に立ち、イシュガルの四天王に挨拶したのはビッグ3の一角にして女性史上初の聖十大魔道の称号を手にしたリュシーだった。
「ボスコ国を襲ったのは貴様だったのか、この裏切り者め。お?」
眼鏡をかけた背の低い老人、ウルフヘイムがリュシーをキッと睨み付ける。
「裏切り者・・・ね」
その言葉にリュシーは笑いが堪えられない。口を押さえ必死に笑いを飲み込むと、彼女は美しく整った顔からは想像もできないような、鋭い眼光で彼らを睨み付ける。
「今まで傍観を気取ってきたあなたたちに、私を責める資格はありませんわ」
その表情を見た瞬間、ジュラは背筋を冷たいものが流れていくのを感じた。激しい憎悪を滲み出ている彼女は、自分が知るリュシーではなかったからだ。
「リュシー、私たちは傍観していたわけではない。ただ、無駄な争いを好まないだけだ」
「それが傍観というのよ、ドラキュロス・ハイベリオン」
触れた者全てを傷つけるほどの彼女の雰囲気。リュシーはジュラの存在に気が付くと、小さく笑みを浮かべる。
「ジュラっち、あなた聖十の5位にまで来たそうね」
「リュシー殿・・・なぜ我々を裏切り、アルバレスに付くのです」
ジュラは聖十大魔道になったばかりの頃の彼女のことを知っている。そのときはとても愛らしく、最年少の魔導士として溶け込んでいたのに、こんなことに
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