進軍
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女。2人のおかげで和やかな雰囲気になった。それから俺たちは、アルバレス軍を押し返すために、北と南、それぞれに別れて加勢へと向かった。
第三者side
フィオーレ南方の街、ハルジオン。そこには国一番の大きな港があり、普段は船の出入りが多く、他国との物流に機能している。
しかし、今現在その街を支配しているのはフィオーレの民ではなかった。
「なかなかいい街だ。消さなくて正解だったな、ヨザイネ」
そう言ったのは戦乙女ディマリア。彼女の隣ではハルジオンの住民と思われる男が息絶えていた。
「何言ってるのよ、狙ったのはマグノリアって街よ」
一通り生き残りがいないかを確認してきたヨザイネが不満そうな顔で戻ってくる。彼女はディマリアがいかにも街を狙うのを失敗したかのように言ってくることが不満で仕方ない。
「それも消さなくて正解だ。ランディが捕まっているんだぞ?その無様な姿を想像するだけで食が進みそうだ」
「全く・・・素直じゃないわね、あんたも」
頬を赤くして楽しそうな笑みを浮かべるディマリア。ヨザイネは彼女のそんな姿を見て、大きなため息をついた。
「彼らも誰かのヒストリアとなるのだろう。実に美しい」
そんな2人から離れたところにいる胸に薔薇の模様が描かれた鎧を着ている色男。彼は街を占拠するために殺した住民たちを見てご満悦だ。
「ナインハルト、そっちは片付いたのか?」
「ああ。皆誰かの新たなヒストリアとなるだろうね」
街を占拠し敵の運搬地の機能を完全に停止させた彼らは第一の目的を果たしたことになる。あとはここからタイミングを見計らいマグノリアへと攻めていくだけ。
「こんな雑魚を殺してよく満足していられるな、お前ら」
いつ攻めていくか考えようとしていたところで聞こえてきたその声に彼らの表情がなくなった。
「天海・・・」
「なんでこいつがここに配置されるのよ・・・」
かつて敵として攻めてきた天海にまだ慣れていない16の面々は親しい仲になれないでいる。彼がいつ裏切るのかわからない状態は、不安で不安で仕方ない。
「スプリガンがここに強い男が来ると言っていたからな」
不気味な笑いを浮かべる眠たげな目をした男に鳥肌が立つのを感じている3人。ディマリアとヨザイネは、これ以上関わり合いたくないと顔を背けた。
「美しすぎて天界から追放された私に、神はまだ試練を与えるのね」
「こいつの監視までしなければならないとは・・・早く会いたいものだ、ランディ」
彼に聞かれないようにと小声で呟く女性陣。一方の天海は2人になど興味の欠片もないようで、来るべき相手に備え気持ちを高めている。
ハルジオンの街の中
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