323部分:第二十四話 告げる真実その十二
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第二十四話 告げる真実その十二
「おかしなことにだ」
「あの国の実態が」
「そして共産主義の正体がですね」
「全く伝わっていない」
「西洋の様に」
「いや、西洋でもあまり知られてはいないフシがある」
そのだ。西洋でもだというのだ。
「知識人達が目を曇らせてしまっているからだ」
「そうしたことを伝えるべき知識人がですか」
「目が曇っている」
「そうなっているのですか」
「どうしても」
「そうだ。彼等が共産主義に魅了されているからだ」
魅了している対象を悪く言うことはない。決して。
「そうなっているが我が国は特にだ」
「それが深刻ですか」
「殊更」
「彼等は取り締まるべきだ」
伊上は言った。
「活動を許してはならない」
「どうしてもですね」
「許せばそこから。拡がっていく」
そうなることをだ。伊上は真剣に恐れている。
それでだ。彼は言うのだった。
「下手をしなくとも日本が共産化することはだ」
「危惧されますか」
「実際に」
「そうだ。油断できないのは共産主義だ」
どうしてもだ。彼はその危惧を頭から離すことができなかった。
それでだった。彼は言うのだった。
「あれはまさに魔物だ」
「そういえば彼等は君主制も否定していますね」
「つまりは」
「陛下をだ。恐れ多くも」
このことがだ。伊上だけでなく周りの者達にとってもだ。
最も恐ろしく思うことだった。それで言うのだった。
「皇室のどの方もだ」
「あのロマノフ皇室の様にですね」
「恐ろしいことに」
「間違いなくそうする」
このことをだ。伊上は言いだ。
そしてだ。こうも言うのだった。
「彼等を許せばそうなるのだ」
「陛下だけでなく他にも多くの血が流れる」
「それが共産主義の実態ですね」
「実態がわかっておらず騒いでいる者はまだ救いがある」
そうした者はというのだ。
「だがそれでもだ」
「中にはそうではない者もいるのですね」
「共産主義の実態を知っている者も」
「そうした者が問題ですか」
「確信犯だ」
伊上はそうした者についてはこう言い切った。
「そうした者もいるからだ」
「危ういというのですね」
「放置しておいては」
「早く何とかしなければならない」
伊上はまた言った。
「遅かれ早かれソ連とはまた対峙するのだから」
「それも必然ですか」
「あの国との対峙も」
それを言われてだ。周りは。
今度は少し戸惑いながらだ。こう言うのだった。
「亜米利加と怪しくなっていますが」
「海軍はそう見ている様ですが」
「いや、この場合は海軍の問題ではない」
では何処の問題であるのか。伊上はわかっていた。そしてそのわかっていることをだ。ここではっきりと彼等に対して話した
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