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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
入学編
入学
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を物語っていた。
実際深紅も初めて妹のことを聞いた時、エリカと同じ質問をしていたのだから。
「それにしてもよくわかったね。司波なんてそう珍しい苗字でもないのに」
達也のこの言葉に、三人の少女は小さく笑みをこぼした。
「達也、司波は十分珍しい苗字だと思うよ?」
「あたしも深紅に同意見」
しかし、その笑みの色合いは随分と違う。
深紅とエリカの笑みがどこか苦笑混じりなのに対し、美月の笑みはどこか自信なさげな笑みだった。
「凛とした面差しが、とてもよく似ていますから」
その言葉に、一瞬、達也が動揺に似た反応をした。
しかしそれは本当に一瞬のことで、すぐいつものように、「似てるかな?」という。
エリカと美月は達也の不自然な反応には気づかなかった。
しかし深紅は、隣にいた所為か、軍人としての鋭さ故か、達也の不自然さに気づいていた。
あえて何も口にはしなかったのだか……。
その時後ろから、先程答辞を述べていた少女の可憐な声が聞こえてきた。
「お兄様!」
その声に後ろを振り向いて、早かったね、という達也。その言葉は、すでに予定していた言葉だったが、語尾には予定外のクエスチョンマークが付いてしまった。
理由は、妹−−深雪−−の後ろにいた予想外の同行者の所為だ。
「司波くん、深紅さん。またお会いしましね」
深雪の後ろに立ち人懐こい笑みを浮かべているのは、入学式開始前に会ったばかりの真由美だった。
「お兄様、その方たちは?」
深雪が深紅の方を見て、達也にそう尋ねた。
「この人たちは俺の新しいクラスメートだ」
「こんにちは〜。あたしは千葉エリカ。よろしくね」
「柴田美月です。よろしくお願いしますね」
「不知火深紅だよ。よろしくね」
「司波深雪です。わたしも皆さんと同じ新入生なので、お兄様同様よろしくお願いしますね」
エリカから始まり、全員が自己紹介を交わす。
「あたしのことはエリカでいいわ。深雪って呼ばせてもらってもいい?」
「えぇもちろんよ。苗字ではお兄様と区別がつかないものね」
「あはっ。深雪って案外気さくなタイプ?」
「あなたは見た目通り開放的な性格のようね」
「深雪、生徒会の方々との用事はもういいのか?まだなら適当に時間を潰しているぞ?」
後ろで控えている真由美たちを気遣っての達也のこの質問と提案は、深雪ではなく真由美から返された。
「大丈夫ですよ。今日はご挨拶だけのつもりでしたから。深雪さん……とわたしも呼ばせてもらっていいかしら?」
「あっ、はい」
エリカたちとすっかり打ち解けた笑み浮かべていた深雪は、その表情をスッと神妙なものに変える。
「では、詳しい話はまた日を改めて。今日はこれで失礼しますね」
真由美は笑顔で会釈をし、そのまま講堂を出て行こうとした。
しかしそれを、真由美
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