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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
入学編
入学
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してエリカは、なぁんだ、と言った。
その後すぐに、入学式が開始された。
滞りなく入学式は進んでいき、そして……
「新入生総代、司波深雪」
司会者がこう告げ、舞台袖から一人の少女が姿を現した。
その瞬間、空気が変わった。
神々しいほど美しい顔つき。
まっすぐと伸びた背中。
楚々とした歩き方。
全てが完璧な姿に、講堂内の全員が恍惚とした表情を浮かべ、吐息を漏らす。
「穏やかな日が注ぎ……」
鮮やかに色づいた唇から、まさに鈴を転がすように可憐な声が溢れでる。
そんな妹の姿に、兄の達也は誇らしげな表情を浮かべた。
深紅は、そのあまりの美貌に驚き圧倒させられた。
「……魔法以外にも共に学び、皆等しく勉学に励み……」
しかしこの言葉が紡がれた途端、達也の表情が固まり、深紅はびっくりしたように肩を揺らした。
そんなことを言ったら一科生の人が黙ってないはずだ。
しかし二人の心配は杞憂に終わった。
皆、深雪の姿に見惚れるだけで、話している内容を理解しているものなど皆無に等しかったからだ。
そんなこんなで、入学式は終了した。
??????
「深紅、美月、司波くん何組?」
エリカがワクワクとした表情を隠すこともせずに尋ねてくる。
「E組ね」
「俺もE組だ」
「わたしもE組です」
「やたっ!同じクラスだね」
飛び上がって喜ぶエリカの姿に、少々オーバーリアクションじゃないか?と思う達也だったが、隣にいる深紅や美月が同じような表情を浮かべていることから、これが高校生としては普通のリアクションだと納得することにした。
−−−やった!達也と同じクラス!
達也の隣では、深紅がエリカのように跳ね上がって喜びたい衝動を堪えていた。
入学式の直後には、IDカードの交付が行われる。
深紅たちは今、まさにそれを終えたところだった。
「どうする?あたしらもホームルーム行ってみる?」
「わたしはどっちでもいいけど……」
「すまない、妹と待ち合わせをしているんだ」
「えっ、司波くんって妹いるの?」
「あぁ」
大袈裟に驚くエリカ。そんなに驚くようなことだろうかと首を傾げながら達也が頷く。
「司波くんの妹ならさぞかわいいんじゃないの?」
「俺の妹なら、というのはよくわからないが、確かに妹はかわいいよ」
「あの……妹さんってもしかして、新入生総代の司波深雪さんですか?」
美月が遠慮がちにそう尋ねてきた。
「そうだよ」
それを達也が肯定する。
「えっ?じゃあ双子なの?」
「よく聞かれるけど双子じゃないよ。俺が四月生まれで妹は三月生まれ。どっちかが一ヶ月前後にずれて生まれてきてたら違う学年だった」
エリカの質問に対する達也の答えは随分とスムーズで、これまでこの質疑応答が幾度となく繰り返されてきたこと
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