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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
入学編
入学
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っきり分かれていると、失笑を禁じ得ない。
「結局、最も差別をしているのは差別を受けているもの、ということか」
他の生徒が聞いたら激昂しそうな言葉をさらりと言い放つ達也。
しかし深紅は、その言葉に同意するように頷く。
全く同じことを深紅も考えていたからだ。
特に逆らって目立つつもりはない。結局二人は三分の一あたり、中央に近い空き席に腰掛けた。
「あれ、そういえば達也妹さんがいるのよね?妹さんは?」
ふと感じた疑問を、何気なく達也に尋ねる。
「妹は新入生総代を務めることになってるんだよ」
「へぇー、すごいね」
達也の応えに、深紅が感心していると、
「あの、お隣は空いてますか?」
深紅が声をかけられた。顔を上げると、今時珍しくメガネをかけた女子生徒。
八枚花弁のエンブレムは、ない。
「空いてますよ」
特に断る理由もないので、頷いておく。
メガネの少女が座った後に、明るい色の髪を持った少女もその隣に腰掛けた。
どうやら二人続きで座れる場所を探していたらしい。
「あの、わたし柴田 美月です」
不意に、メガネの少女から自己紹介がなされる。
積極的に話しかけてくるような子には見えなかったので、深紅も達也と多少驚いた。
「俺は司波達也だ」
まず、達也が先に返事をする。
「わたしは不知火深紅です」
続けて深紅も返事をした。
その時の二人の意識は、美月のメガネの方に集中していた。
今のご時世でメガネをかける理由は二択しかない。
一つは単純にファッションのため。
しかし美月がファッションのためにメガネをかけるような子には見えなかった。
だとすると……
−−−霊子放射光過敏症、か
−−−霊子放射光過敏症、ね
霊子放射光過敏症は、病気ではない。ただ、感覚が鋭過ぎるだけなのだ。
見え過ぎ病とも言われ、普通は見えないものを視ることができる。
「あたしは千葉 エリカ。よろしく」
今度は美月の隣に座っていた少女が声をかけてきた。
これは、美月にとって救いの手だったかもしれない。
意識していなくとも、深紅と達也の二人は美月を−−正しくは美月のかけているメガネを−−凝視しており、そろそろ美月の羞恥心が限界に近づいていたのだ。
「ねぇ、深紅って呼んでもいい?」
「もちろんよ。わたしもエリカと呼ばせてもらうわね。美月も呼び捨てでいい?」
「あっ、はい。わたしも深紅さんと呼びますね」
お互い呼び方を決めたところで、エリカがどこかワクワクとしながら深紅と達也に尋ねてきた。
「ねぇねぇ。深紅と達也くんの関係って何?」
やっぱり年頃の女性はこういう話が好きなのだろう。
「別に……ただの知り合いよ?」
「あぁ、入学前からのな」
期待通りの答えが返ってこなかった事に、若干つまらなそうな顔を
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