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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
入学編
入学
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醒だった深紅の意識は急速に目覚めた。
「わかった。起こしてくれてありがとうね……達也」
ちなみに、深紅の口から達也という名前が滑りでるのに少々時間がかかった理由は、今まで竜也と呼んでいたからだ。
「別に大したことはしていない」
達也が少々ぶっきらぼうに−−微笑んだ深紅に見惚れて照れた所為である−−言った。
その時……
「新入生ですね?そろそろ入学式が始まりますよ」
二人に声が掛けられた。
まず目に入ったのは、制服のスカートと八枚花弁のエンブレム。
次に目に入ったのは、手首に巻かれた汎用型・ブレスレット形態のCAD。
−−−この学校ではCADを預けなければいけないのではなかったかしら?
−−−CADを常備できるのは確か、生徒会などの一部の生徒だけだったはずだ……。
そしてさらに上を見上げ、声を掛けてきた女子生徒の顔を見る。
美しいとも可愛らしいとも言える顔立ち。背は低いが均整のとれたプロポーションに、どこか蠱惑的な雰囲気を感じる美少女だった。
さっきの言葉や姿から、この女子生徒が先輩であることを察した深紅と達也は、ほぼ同時に立ち上がった。
「ありがとうございます。すぐ向かいます」
女子生徒にこう答えたのは達也の方だ。
早々にこの場を離れて会場に向かいたい、という深紅と達也の思いは、良くない意味で断ち切られた。
「珍しいですね。スクリーン型ですか」
女子生徒が、達也の持っていた端末に目を止めて、更に話しかけてきたからである。
「当校では、仮装型ディスプレイの使用を認めていません。それでも残念なことに、仮装型を使っている生徒は大勢います。しかしあなたは入学する前からスクリーン型を使っているのですね」
「仮装型は読者に不向きですので」
長々と話しかける女子生徒に対し、達也は短く、端的に理由を述べた。
「動画ではなく読書ですか!ますます珍しいわね。わたしも映像資料より書籍資料の方が好きなタイプだから、なんだか嬉しいわね」
しかしそんな達也の思いを知ってか知らずか、彼女はますます話しかけてくる。
しかも、だんだん口調が砕けてきているところを見ると、彼女はいっそ珍しいくらい人懐こい性格なのかもしれない。
「あっ、申し遅れました。わたしは当校で生徒会長を務めております、七草 真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね」
最後にウィンクが添えられていても、全く違和感のない可愛らしい自己紹介。それは、どんな男性……いや、女性でさえも見惚れてしまうほど、彼女によく馴染んでいた。
しかしそんな彼女−−真由美−−に対して、深紅と達也は顔を顰めそうになった。
主に、その苗字に対して。
現代の魔法の才能は、血筋が大きく関係している。
特に、苗字に数字が付いている数字付き−−ナンバー
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