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いたくないっ!
第四章 暗闇の亜空間
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、どんな人たちなのか、どんなこと話しているのか、妖精じゃないのか、ちょっと見てみるだけだから。
 もしも授業にちょっと遅れたとしても、(ます)()先生だっていつも五分遅れてくるし。
 そんなことよりもっ、

 と、敦子は三人の背中を早足で追って、三メートルほどの距離にまで近付いた。
 三人のうちの、ガリガリ男子が、

「トゲリンさあ、フラボノマジカとか担当した(むら)()(しゆう)(えい)氏のタッチ、あれをかなり参考にしたでしょ」

 やった、アニメの話だ! って、まあ当たり前か。
 村井修栄さん、わたしの好きなアニメーターだ。
 ほのぼの系のキャラデザが得意なんだよ。
 フラボノマジカ、好きだったなあ。

「やはり見抜かれていたでござるか。たまたま影響を受けつつあったので、むしろ開き直って、あえてぐっと近づけてみたでござる。以前よく参考にしていた、(はる)(かぜ)(ぐん)()氏のタッチもひたすら繊細では……」

 ()、とかいってるよ。
 まあ、当たり前か。
 ん、当たり前……かな?
 まあいいや。

「『はにゅかみっ!』のキャラデザを担当するかも知れないって噂を聞いた時は、これは違う、観てはみたいけど、でも、って思ったけどなあ」
「好きだけど違う、ってね」

 そうかなあ。
 わたしはむしろ、春風さんがやるべきだったと、今でも思っている。
 だって、「はにゅかみっ!」って原作が本来アニメ向きじゃないよ。なら春風さんの方が、微妙にマッチしたものが作れたかも知れない。かわりに、あそこまでの人気アニメにはならなかっただろうけど。だから是非とも、春風さんでOVA作って欲しいなあ。

「……は、ルクシュプリルのキャラデザの時だよね。で、そっちが受けたもんだから、『ももいろものみち』も第二部からキャラデザが変わった」
「いや、単に事務所の圧力と聞きましたぞ」
「古くさい絵柄が飽きられてて事務所内でもともと揉めていたのを、強行していただけ。圧力というなら、その、第一部の強行こそ圧力だったんだよ。案の定、不人気だったから、だから第二部から変わったんだよ。契約問題とか圧力じゃないよ」

 わたしはそうは思わないぞ。
 まったく飽きてないぞ。
 国民の総意みたいに、でしょとか決め付けないで欲しいなあ。
 圧力とかよく分からないけど、でも、飽きられたからでもないよ。

「さすが八王子、『ももいろものみち』のことだけは、トゲリンより詳しいな」
「関連記事が出てる雑誌、全部買っているからね」
「そうか、拙者の知らぬ、さような問題が制作現場にはあったのでござるな。しかし、第一期と第二期、変わらぬはエンディングの秀逸さでござるな」

 うんうん、そうそ
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