煽動の黒幕
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地上8千m級の聖地は崩壊、立ち入り禁止区域に指定され厳重に封鎖された。
太陽系の第3惑星には地震と余震、大火山活動等々の天変地異が相次いで起こった。
一時的に地球は居住禁止区域に指定され、住民は他の惑星に疎開している。
生活基盤と住居を提供され、数年後に帰郷の費用も全額の負担が確約されたけど。
ラインハルトの強硬手段を非難する声は多く、民心も離れそうになった。
対策として聖地の資料室から押収、光ディスクに記録した大量の情報が暴露された。
地球教団は聖地巡礼者を従順な奴隷とする為、サイオキシン麻薬を使っていた。
中毒患者の財産を奪い資金源としていた実態、衝撃的な情報を信者達は信じなかった。
洗脳され精神操縦される末端の地球教徒には、他の選択肢は無かったのかもしれない。
キルヒアイスに提出した報告書と、順番が違うんだけど。
フェザーン進攻の前に連続して、様々な事件が起こった。
リヒテンラーデ公爵の一族、エルフリーデ・フォン・コールラウシュも現れた。
金銀妖瞳《ヘテロクロミア》の提督、オスカー・フォン・ロイエンタールが告発された。
ローエングラム侯爵に叛逆の意図あり、リヒテンラーデ公爵の血を引く赤子が証拠だと。
帝国軍の双璧を同士討ちさせる策謀は実らず、フェリックスは親友が預かったけどね。
謎の黒幕が操る無差別銃撃、一般市民を巻き込む爆弾テロ等は後を絶たなかった。
地球教徒を率いる最高権力者、総大主教《グランド・ビショップ》の狙いはわからない。
常勝の英雄が最大の強敵と手を組み、不敗の魔術師ヤン提督を討伐に差し向ける。
とんでもない被害妄想、としか思えない恐怖に取り憑かれたみたい。
教団の総書記代理ド・ヴィリエ、策謀家の最終目標は権力の奪取だろうね。
アントン・フェルナー准将も門閥貴族の部下として、ラインハルト暗殺を試みたけど。
悪びれずに堂々と出頭して直談判に及び、帰順を認めさせた胆力と行動力が発揮された。
情報収集の熟練者を率いて煽動者の足跡を探り、帝国の領域に潜む拠点を潰している。
オーベルシュタインの草刈り、は自由惑星同盟の崩壊後に起きる筈なんだけど。
冷徹な策謀家が地球教徒の残党を狩り出す為、執拗に継続した捜査の異名になった。
専制政治に慣れた帝国の民衆は『門閥貴族の方が、マシだった』とまで言ったけど。
社会経済再建計画の立案を命じられ、社会福祉政策の充実を図る指導者が動いた。
カール・ブラッケ、オイゲン・リヒター。
2人は独善的な専制君主の誕生を危惧して、市民の意識改革を推進している。
テロを繰り返す麻薬密売組織、地球教団の洗脳は門閥貴族の搾取より酷い。
開明派の貴族は、大勢の人達から信頼を得ていたんだ。
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