ペルソナ3
1967話
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
ると、やはり緊張から喉が乾いていたのだろう。キャップを開け、お茶で喉を潤す。
そうして身体の体内から冷やしても、やはりゆかりの頬は薄らと赤く染まったままだ。
それでもお茶を飲んで一段落したのか、改めてゆかりは俺の方を見ると、小さく深呼吸してから口を開く。
「それで、アクセル。……私が来た理由はもう分かってるわよね? 昨日の……その、返事を貰いに来たんだけど」
「ああ、分かっている。だがその前に、まだ俺はゆかりに言ってない事が幾つかある。まず、それを聞いてから……それでもゆかりの気持ちが変わらないのであれば、その気持ちを受け止めたいと思う」
「……え? 何よ、いきなり?」
YesかNoのどちらかの返事を貰うつもりになってきたゆかりだったが、いきなり俺の口から出た言葉はかなり予想外だったのか、ペットボトルのお茶を持つ手が止まる。
それを見ながら、俺は座っていたソファを立ち、指をパチンッと鳴らす。
瞬間、俺の全身が白炎に包まれ……次の瞬間、その姿は今までの10代のものではなく、俺本来の20代のものへと変わっていた。
「見ての通り、俺の実年齢は20代だ。それに……」
再び指を鳴らすと、次に羽根や角、尻尾のある混沌精霊の姿へ変わる。
「俺は人間ですらなく、混沌精霊という種族でもある」
そして再び指を鳴らして白炎に身体を包み、先程までと同じ10代の姿へと戻った。
「……こんな俺でも受け入れられるか? もし無理なようなら……」
「馬鹿を言わないでよ。アクセルはアクセルでしょ。それで私がどう思うかなんて、全く変わらないわよ」
俺の言葉を遮るように、ゆかりはそう告げる。
そんなゆかりの言葉を嬉しく思いつつ……最後の秘密を口にする。
「そうか。じゃあ、最後にもう1つ。……以前にも言ったと思うけど、俺には既に10人以上の恋人がいる。そして、養子もいる。それでも俺を受け入れられるか?」
そう、尋ねるのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ