暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
原作21巻〜
第二十五話 -結婚前夜の密室事件-
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結構大きなとこだな。だけどたしかあそこって2代目の森園…菊人さん?はあまりいいうわさは聞かないんだよな…
重松さんの案内で屋敷に向かって歩いていると突然木から人が飛び降りてきた。彼は桜庭祐司さんといい、使用人をしているそうだ。木から飛び降りてきた彼の胸には猫が抱えられていた。どうやらご当主の命令で捕まえていたそうだ。

「わー可愛い!」
「ちょっと見せてーな!」
「はい、どう…ぞ!?あ!おい、コラ!」

女性陣に見せようとしたらするりと抜けだし、また桜庭さんはあの猫との追いかけっこを再開してしまった。そんな光景を見せられた俺達は微笑ましい雰囲気になっていた。そんな俺達の後ろから新たな登場人物が現れた。

「あら、あなたね!我が弟の姫君は。…大会社の社長令嬢だかなんだか知らないけど。覚悟しときなさいよ!今日から私がこの家のしきたりを骨の髄までみっちりと仕込んであげるから!」
「は、はい!」
「……なーんてね!冗談よ冗談!私は姉の百合江!普段は外国に行っててうるさくしないから安心してね!」
「は、はあ」
「それにしてもやるわね貴女!プレイボーイの弟をここに通い詰めて落としたんですってね!」
「え?」
「い、いえ。お嬢様。一目ぼれしたのはお坊ちゃまの方でして」
「あら、前に貴方そう言ってなかったかしら?まあいいわ。今回の縁談をまとめたのは貴方だったわね。お父様から何か褒美がもらえるかもよ?」
「はあ…」

そういうと百合江さんは屋敷の方に向かっていった。

「ねえ平ちゃん。やっぱり楓さんなんか変だね」
「せやなあ。なんや重松ハンも噛んでそうな感じやな」
「ああ、彼女の婚約をまとめたって言ってたしなんかあるんだろうな」

こそこそと男幼馴染み3人であーだこーだ言い合ったが、まあすべては憶測だ。





時が少し経ち、晩餐会となった。ご当主の森園幹雄さんは結構気さくな方で小五郎さんと話は盛り上がっていた。どうやら彼は若いころ探偵にあこがれていたらしい。

「最近は犯罪も巧妙化してましてなあ。第一発見者が殺人犯とかなら探偵なんていらないんですがねえ」
「なるほどなるほど。ですが自分がやったということを誤魔化すトリックを犯人が弄し、それを紐解いていく。それが毛利さんたち探偵でしょう?」
「いやはや、全くもってその通りで!」

そんな歓談が進む中、楓さんの旦那さん、森園菊人さんが現れた。……現れたんだが、

「東京見物は存分に堪能できたかい?マイ・ハニー?」
「は、はいとても…」

「は、はにー?」
「さぶー…」
「うーん、なんかぞわっとしますなぁ」

どうやら百合江さんの言っていたプレイボーイというのは本当の事らしい。……それにしても、ぷれいぼーいなセリフか。俺はこういうの言え
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