第二十二話 -黒の組織10億円強奪事件-
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放った。こいつらは全身を回り障害を負った内臓の各種役割を回復するまでしてくれるし、壊死した部分は食べ、その部分に同化してその役割を果たしてくれるようになる。そして何より体内で増えて永久に健康な状態を維持してくれるというまさに夢のような生物だ。一度体内に入れると二度といない状態にすることはできないけど……ね。
俺は傷口を閉じ、「ドクターアロエ」の包帯で傷口を巻いた。彼女は……ねむっているようだ。時間にして10分も経っていないが俺は汗だくになっていた。……与作さん、あなたに弟子入りしといて本当によかったと思いますよ。
さて、と。これからどうするか。使うつもりのなかった「ドクターフィッシュ」まで使ったんだから彼女にはこちらの事情を説明しなくちゃいけないし、一度助けてしまったんだ。なら責任を持って彼女の人生を背負う……まではいかなくても保護はしないとな。このまま放逐すれば彼女は絶対組織に狙われ、殺されるか下手したら解剖ってこともありうるし。
「組織に生きていることがバレたら命を狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ」だもんね。……じゃあ、彼女には死んでもらうか。
「メタモルアメーバ、ちょっと頼むよ?」
―
「……っで?結局どうするん?あの人」
「まあ、立場的には新ちゃんをより危険にしたみたいな人だから。出来る限り力を貸そうとは考えているよ」
あの後、俺は宮野さんの着ていたものを全て脱がした。メタモルアメーバには横腹に穴の開いた状態で宮野さんに変身してもらいその衣服を全て着てもらった。心臓は止まった状態で、その血だまりの中に横になってもらった。つまり、宮野さんの「死体」に変身してもらったわけだ。新ちゃんの証言と現場の状況から検視のみで司法解剖はないと考えたからだ。なので、メタモルアメーバには5日ほどしたら誰にもばれないように帰っておいでと命じておいた。
俺は、裸になった彼女にドクターアロエを全身に巻きつけ、裏チャネルを経由して自宅に戻った。服を剥いだためドクターアロエを全身にまいて服代わりにしたが、全身の回復力を高めるという意味で良い手だったと自宅についてから気付いた。ああ、新ちゃんのノッキングは戻る寸前に解除しておいた。
「いくつか選択肢は考えてあるんだ。一つはトリコ世界で美食屋の修行をしてもらう事。捕獲レベル1の猛獣を一人で狩れるくらいでもこの世界では十分自衛できるしね。ドクターフィッシュを入れたことにより身体能力も上がってる。後はその力の使い方を短時間でガッツリ学んでもらえるしそれに何より組織から完全に逃げられるってことからかなり有力な候補。二つ目はこの家で家政婦をしてもらうか家政夫をしてもらいながら俺が戦闘の指導をすること」
「二つ目のかせいふって同じ意味やないの?」
「ふの字が「夫」か「婦」で違うんだ。「婦」の場
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