第二十二話 -黒の組織10億円強奪事件-
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「龍斗、龍斗。これって龍斗が気にしてた事件とちゃう?」
「ん?」
とある朝、俺はキッチンに立ち朝食の準備をしていた。すると朝刊を読んでいた紅葉にそう言われた。
「どの事件の事?」
「龍斗が気にしてた事件なんて一つしかあらへんやん。『10億円強奪事件』や。新一君がちっさなることと、この事件については「なぜか」起きることを知ってた言うとったけどホントに起きるとは思いませんでした。世の中も物騒になったもんや。しかも起きたんは四菱銀行の米花支店やって。町内でこないなこと起きてたんやな。犯人は三人組で今も逃走中やって」
……ついに、か。薄くなった「原作知識」の中でも唯一強烈に印象に残っている事件。宮野志保、灰原哀の姉でジンに殺されてしまう宮野明美さんが妹を組織から抜け出させるために起こしたもの。
確か、10億円を持ち逃げした仲間の捜索を毛利探偵事務所に依頼しにくる……だよな?ならその線で接触できるはず…っと。
「はい、今日の朝食できたよ」
「何や。考え事してた割にはちゃんとできとんね」
「ありゃ、ばれたか。まあ考え事してても料理に手は抜かないよ。それじゃ……」
「「いただきます」」
―
「え、丸眼鏡におさげの女の人が依頼に来なかったかって?」
「うん、多分人探しだと思うんだけど」
「えーっと。私もお父さんの仕事を全部知ってるわけじゃないけどそんな人来てなかったと思う。でも龍斗君がお父さんの仕事を話題にするなんて珍しいね。どうしたの?」
「ちょっと気になることがあってね」
高校に登校し、蘭ちゃんに宮野さんから依頼が来ていないか聞いてみたがそのようなものは受けていないという事だった。……数日置いての依頼だったのかな?
「まあこんなことを聞いてくるってことは重要なことなんでしょう?私も気にしといてあげる。その人の名前は?」
「名前……はちょっと思い出せないかな」
「そっか」
偽名までは思い出せない。覚えていれば楽になったんだろうけど。
「おやおやおや〜?龍斗君がこんなに気にするなんてもしかしてその女の人って…って冗談よ?冗談。だから全部を言い切る前に睨んでこないで紅葉ちゃん。……おっほん、改めて。もしかして龍斗君も探偵に興味を持っちゃった?」
「え?」
「えー、そうなの!?新一に続いて二人目の探偵!?」
「あ、いや」
「ぜーーーったい、やめた方がいいよ!警察に協力とか、その場にいただけでも求められちゃうんだから!昨日もそれで大変だったのよ!!」
ん?昨日?
「昨日って、何かにまた巻き込まれたん?」
「ま、またって……いやその通りなんだけど。昨日の10億円強奪事件の時、私とお父さん、それにコナン君もその銀行にいたのよ」
「え、そうだったの!?」
「う、うん。それで現金輸
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