第二十一話 -初恋の人想い出事件-
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、どうやら新ちゃんが沢井さんを犯人と推理し事件を解決していたようだった。小五郎さんの声でそんな怒声が聞こえてきた。犯行の動機は麻美先輩が言っていた通り振り向いてほしかったから。今まで振られたことがなかったから悔しくて…か。
「なぜ、麻美さんが焼け死ぬ可能性を考えなかったんだ!車にトラブルが起きるかもしれない、道が渋滞するかも、現に車のキーを持っている野口君は火事が発覚したときその場にいなかった!!龍斗君がいなければ誰もあの火の海は突破することができなかった!!そうだろう!お前は突入することを諦めたんだからな!そんな時、麻美さんの命は亡くなっていたんだぞ」
その言葉に、飄々としていた沢井さんはやっと事の重大さを認識したのか神妙な顔になった。
「振られてしまったのならなぜ、振り向いてもらえる人間になろうとしなかった。自分を高めることで振り向かせてやろうと思わないんだ!!」
その言葉を聞き、麻美先輩は隠れていた廊下から中に入った。
「ホント、バカですよ部長。私なんかのために……」
「麻美、本当に悪いことをした……」
「それじゃあ、とにかく話は警察に行ってから」
「はい」
消防員の人にそう言われ、部屋から連れて行かれる沢井さん。麻美先輩は沢井さんがすれ違った時にこういった。
「部長、人の心を無理やりこじ開けようとしても、開いてはくれませんよ?」
「…そうかな?君なら世界中のどんな男でも一つ息を吹きかけるだけで魅了してしまいそうなものだが」
「そんなことないですよ、部長は私を知らないだけです。私だって昔、昔……」
―
事件が解決し、別荘から全員が帰る時麻美先輩はみんなに事の真相を話した。自分の方が新ちゃんに告白したこと。一年ボウズにコナかけられている噂は自分が流したこと。レモンパイに纏わる云々など。
結局、麻美先輩がばらした新ちゃんが気になっている奴は蘭ちゃんの天然ボケでうやむやになってしまったけど。
蘭ちゃんも大概、にぶチンさんだよね?似た者夫婦だなこりゃ。
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