第二十一話 -初恋の人想い出事件-
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まあ想像はつくけどね。
「……ねえ、なんか喉乾かない?下の自販で何か買ってこようか?」
「あ、私も行くよ。龍斗君、紅葉ちゃんは先輩の事お願いね」
そういうと、蘭ちゃんと園子ちゃんは病室を出て行った。
「……先輩、目が覚めてますよね?」
「え?」
「……あら、気づいていたの?」
「ええ、俺が病室に来たときにはもう起きていたでしょう?先輩、自分の身に何が起きたかわかりますか?」
「目が覚めてから大体の経緯は聞こえていたから大体の事は分かるわ。何かとんでもない助け方をされたみたいね、ありがとう緋勇君」
「いえいえ。一応聞きますけど。自殺、しようとしたわけではないですよね?」
「もちろんよ」
「そうですか。それが聞けて良かったです。……寝たふりしてたってことは先輩、何か行動を起こすつもりですね?」
「緋勇君鋭すぎ。まあね。私を床に寝かせた人が誰なのか、うっすらだけど覚えているわ。多分その人が火を……だから今から抜け出して一言言ってやろうかなって」
「そうですか……じゃあ俺もご一緒します。こんな時間の一人歩きを見逃すわけにはいきませんので。紅葉、悪いけど……」
「ウチはここに残って「麻美さんがちょっと目を離したすきに抜け出した。龍斗は探しに行った」っていえばええんやね。犯人に変な動きをさせへんために」
「ありがとう、じゃあ先輩。行きましょうか」
「緋勇君、紅葉ちゃんありがとう」
「先輩、それで抜け出してまで言いたいことって聞いても大丈夫ですか?」
「うん、私を床に寝かして部屋を最後に出ていいった人物……沢井部長が「これで彼女も……」って呟いたのが聞こえたのよ。それで火事が起きたでしょう?これって形は違うけれど中三の時に私が工藤君にしたことと同じだってすぐに気づいたわ」
どうやら、犯人?は沢井さんでこんなことをした理由は振られた麻美先輩を振り向かせるためにピンチを演出→華麗に救出を企てたのではないかと言う事だった。…えー。
「沢井さんって本当はすごいバカなんじゃないですか?」
「バカって……なんでも思い通りになった人なんでしょう。だから挫折というか壁にぶつかったら普通は考えられないことをしてしまったんじゃないかな?」
「いや、だからって。あの時俺がいなかったら麻美先輩は死んでいましたよ?火の回りが異常に速くて、俺以外の人がリビングに行こうとしたら例え水を被っていても先輩の所にたどり着く前に力尽きてました」
「……」
「まあ、本当に沢井さんが火をつけたなら多分、着くころには事件は解決してますよ。なんたって、名探偵がいるんですから」
「ばっかやろう!ボヤ程度で済ますつもりだった?火の回りが予想以上に早かった?そんなものが言い訳になるか!ふざけるな!!!」
別荘に着いたとき
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