第二十一話 -初恋の人想い出事件-
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んでるぞー。ほらむにぃーって」
「やめぇーや、龍斗のアホ!」
「……ねえ、あの二人って」
「見て分かる通り、お付き合いしてますよ。たまにこっちが恥ずかしくなるくらいいちゃいちゃし始めるのであれはもうほっといていいです」
「そ、そっかー。なら紅葉ちゃん、だっけ?あの娘は彼氏同伴ってしっかり伝えとくわ。緋勇君を怒らせたくないしね」
「そうですね、お願いします。あ、そうそうそれに私たちを呼べばもれなくあの人もついてきますよ!」
「ちょっと、あの人って」
「そう、言わずと知れた名探偵……」
―
「ナァーハッハッハァーー!いや、光栄ですな、東都の若き頭脳と一緒に酒の席につけるなんて。それに皆さん、秀才にして美男美女揃いと来たもんだ!」
週末、俺達は麻美先輩の誘い通り、東都大学の推理研究会が借りた別荘に来ていた。小五郎さんも一緒に来たがすでに出来上がり上機嫌だ。
推研のメンバーは全員が文学部で四年の沢井学部長、早坂智子副部長、三年の森本喜宣さん、二年の野口茂久さん、宮崎千夏さん、そして麻美先輩の六人のようだ。
先輩は今は台所でレモンパイを作っている。蘭ちゃんや園子ちゃん、紅葉はその手伝いで席を立っていた。こっちは先輩の武勇伝(?)で盛り上がっている。ふむふむ?小説が新人賞をとり、文学部の混合ダブルスで優勝、それにミス東都。えらぶったところもなく料理の腕はピカイチと。こうして並べて聞くとどこの完璧超人だって感じだな。
「そういえば、料理といえば麻美の後輩にまさかあの緋勇龍斗君がいるとは思わなかったよ。麻美が中三のときに中一の後輩か。確かその頃に世界一になったんだよな?」
「そうそう、史上最年少の世界一パティシエ!麻美に今日君がくるって聞いて私すっごく楽しみにしてたのよ」
沢井さんと早坂さんに立て続けにそういわれた。
「ありがとうございます。先輩と仲良くなったのはその料理がきっかけで。料理のコツとかレシピとかは伝授しましたよ。ただ、彼女の得意料理のレモンパイだけは俺はノータッチでしたけどね」
「そういわれれば、彼女のレモンパイ今日はないな」
「今、蘭と一緒に作っているみたいですよ?」
「ウチらは先に出来た料理を持っていくように言われたんで持ってきました、どうぞ」
「あれ、麻美君作ってくるって言ってたけどなあ」
キッチンから園子ちゃんと紅葉だけが先に戻ってきてそう教えてくれた。森本さんによると作ってくるはずだったらしい。
「よいしょっと……どうしたん、龍斗?ちょっと顔をしかめてるけど」
「ああ、隣の小五郎さんや沢井さんの酒とタバコのにおいがね。前のカラオケのときは酒だけだったから良かったんだけどタバコがちょっと鼻に……ね」
「ああ、そういう。ウチが隣かわろか?」
「いや、感度を落としたか
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