暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第二十話 -コナンvs怪盗キッド-
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フを回すって……?」
「ええ。こちらも普段はそこまで気を回しませんが。夫も私もあなたの作るものを無駄になんてしたくないもの。でも今回はあなたの案を採用しましょう」
「あ、ありがとうございます!」

その後は段取りを決め、夕食は頂くことになった。流石は鈴木家のシェフと言うか、とても美味しいものだった。紅葉も鈴木夫妻と打ち解けることができたようだしきてよかった。
それから俺は時間を見て鈴木財閥のスタッフの方と協議を重ね「子供がいる方向け」「甘いものが好きな方向け」「甘いものが苦手な方向け」の3種類のケーキを用意した。
そしてあっという間にパーティ開催当日となった。

「それでは東京港に到着する30分前にはお渡しの準備に入るようにお願いします」
「分かりました」

俺は一足先に乗船し、鈴木財閥のスタッフと打ち合わせをしていた。今日の紅葉は実家のご両親がこれないということで挨拶回りをしなくてはならないそうだ。ソレが終わってから合流すると言っていた。俺は近くにいたスタッフを捕まえて、

「史郎さ……鈴木会長に先にご挨拶をしておきたいんですが彼の居場所をご存知ありませんか」
「ああ、会長なら自室のほうで準備をしてらっしゃるはずだよ。開会前の挨拶は普通ならご遠慮して貰っているんだけど龍斗君なら大丈夫かな?」
「ありがとうございます。実はスタッフの方にも軽いお菓子セットを用意したので後で配りますね」
「おお、久しぶりに龍斗君のお菓子が食べれるのか!これは気合入れて仕事しなきゃな!!」

捕まえたスタッフが鈴木邸から派遣された古株の人だったのですんなり教えてもらえた。俺が自室に向かう途中、船は出港したらしい。揺れる足場を歩きながら史郎さんの自室に到着したので扉をノックした。

「失礼します、龍斗です。史郎さんいらっしゃいますか?」
「ん、ああ。龍斗君か。どうぞ入ってくれ」
……んあ?声がいつもと違う?ふむ、なるほど。

「お邪魔します。今日はおめでとうございますを言いたかったんですけどね」
「言いたかったって。祝ってくれないのかね」
「ええ。お祝いの言葉は史郎さん本人に言いますよ、怪盗キッドさん?」
「……何を言っているのかね、私は…」
「まず、史郎さんと声が違う。昨日今日初めてあった人ならともかく、10数年の付き合いがある人の声を聞き間違えたりはしない。俺は特別耳が良いんでね。それに匂いだ」
「匂い?」
「史郎さんはもう五十路に入っている。当然加齢臭がするんだよ。ソレがお前からはまったくしない。匂いから判断するに10代、男子高校生って所か」
「……オメーどういう鼻をしてるんだよ。こっからそこまで10mは離れているぞ。しかもオレの本当の年代まで分かるもんなのか…?」
「そんなことはどうでもいい。本物の史郎さんはど
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