第十九話 -名家連続変死事件-
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がつかなかった。ちなみに食霊はいなかった。
「ん、んん」
「目が覚めましたか?日向さん」
「ええ。あれは?」
「さあ。夢を見ていたんでしょう。でも自殺なんてもう考えないでください。また怒られてしまうんじゃないですか?」
「そうね、私も生きて。先に私を置いて死んだこと秀臣さんに後悔させてあげるわ」
さきほどとは打って変わって憑き物が落ちたような彼女の様子に皆は首をかしげていた。
その後、呼ばれた警察に連れられていく二人に会長さんから日向さんへの激励の言葉を、光明さんには康江さんとの離婚と解雇の言葉を送っていた。康江さんも流石に旦那が父親を殺し、さらにそのために兄の死すら利用していたこと、遊び半分で火をつけたことを知って光明さんに不信な目を向けていた。
秀臣さんの遺体は池に沈められていた。どうやら最初は土に埋めて腐敗速度を落とし、死亡推定時刻を誤魔化し、池に沈めたらしい……どっからそんな知識拾ってきたんだ…
―
「んで?最後に幸さんにやったのはなんやったんや龍斗」
「オレもそれは聞きてえな、龍斗。あんなに死にたがってた幸さんは一瞬気を失ったと思ったら起きた瞬間にあれだ。オメーがぜってーなんかしたんだろ?」
「さあ?なんだろうーねー?」
後日、大阪に帰る平ちゃんを俺と新ちゃん蘭ちゃんで新横浜駅まで見送りに来ていた。
「そういや、オメー確か『連れてってあげます』とか言ってたよな」
―ぎくり
「せやった、せやった。あの文脈からして死んだ秀臣さんとこにってことやろ?もしかして龍斗……」
「……そうだよー。日向さんを一度死者の国に連れてって秀臣さんに逢わせてあげたんだよ。二人も気をつけなよー?二人は色んな殺害現場に行ってるだろうから二人の方には殺されて未練が残った被害者の魂が……」
「あ、ははは。なにを言ってんだ龍斗。死者の国とか魂なんてあるわけねーじゃねえか」
まあ死者の国じゃなくて魂の世界なんだが。死者の国があるかは俺も知らん。魂がこっちにもあるとは思わなかったけどね。
「せやせや、工藤の言う通りや。龍斗の言う事は冗談なのか本気なのかわかりにくいったらあらへんわ!」
「あー!また、服部君コナン君の事工藤って言ってる!!まさか工藤って」
「え、あいや……くどいや。く・ど・い!こいつが今まで関わってきた事件について詳しゅう教えろってしつこくてな!せやからくどいでー!って言ってたんや!」
「ふーん…?」
よし、いい感じに誤魔化せたかな。
「さすがは大阪人…」
「ボケさせたら日本一や!」
正体がばれそうになったことでさっきの話はうやむやになり、俺は一息ついたのだった。いずれ、話せるといいなあ。
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