第十九話 -名家連続変死事件-
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離れていた俺達にも聞こえるくらいの大きな声で悲鳴があげられてた。武さんから受話器を奪った小五郎さんが
「おい、どうした?今どこにいる!?」
『そ、そ、そこの真下の部屋だ。いきなり部屋の明かりを消されて刃物で後ろから……うわああああ』
「お、おい?」
その言葉に小五郎さんや俺に日向さん、平ちゃんや新ちゃんがバルコニーに出て下を覗くと包帯を顔に巻いた男が包丁を口に咥えてにゅっと出てきた。その包帯には血がついていた。俺達を見たその男はそのまま部屋の方に戻って行った。
『ひ、秀臣さん!?』
……秀臣さん?じゃないな。これは……
「そんな、そんな……」
「くそ、とにかく下にいかな……」
「平ちゃん、先に事情聞いてくるよ!」
「ちょ!?」
「平ちゃん、先に事情聞いてくるよ!」
そういうと、龍斗はバルコニーから宙に身を投げた。空中で体を反転した龍斗と目があったがそのまま落ちて姿を消した。
「ちょ!?」
慌てて下を覗くと手すりの支柱を掴んだ龍斗が反動をつけて飛び上がり手すりに着地していた。……おいおいおい、なんちゅうことを。
「平ちゃん、早く降りてきて!」
「お、おう。きいつけや!!」
オレがこっちを見ていることに気付いたのか龍斗は声を上げた。バルコニーにへたり込んでいる日向さんを置いてオレ達は階下の部屋に降りてきた。
「おい、この扉鍵がかかってるぞ!!」
「では、合鍵を取って参ります」
「なら、オレは警備の人にこの事を伝えて怪我の治療出来る人を呼んでくるわ!龍斗なら心配ないやろけど光明さんが怪我しとるやろ?」
『うっぐ!?』
「み、光明さん?!」
「早く合鍵を!」
「は、はい!」
そういい、オレは警備員の詰め所に行き、起きたことを伝えて、治療ができる人に道具を持ってくるように伝えて部屋に戻った。部屋に戻ってみると扉は開いており、みんなは中に入っていた。みんなの視線の先には…なぜか龍斗が包帯を顔にまいた男をベッドに押さえつけていた。包帯がほどけて、中から見える顔は……光明さん?どないなっとるんや?
「龍斗?」
「龍斗?」
「龍斗?」
皆が入ってきてたが第一声は平ちゃんだった。他の皆は部屋に入ってみたらそこには俺が秀臣さんの格好をした光明さんを俺が取り押さえている状況で何が何だか訳の分からない様子だったので無理もないか。
「ああ、平ちゃん。それに皆も」
「ちょ、ちょっとあなた!なんで光明さんを取り押さえているのよ?それにお兄様はどこにいるのよ!?」
そう言ったのは、次女で光明さんの奥さんの康江さんだ。
「この部屋には秀臣さ
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