第十九話 -名家連続変死事件-
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いますよ」
「さ、さようでございましたか。それでは旦那様の部屋にご案内します」
案内をしてもらい、三階の会長さんの部屋にもうすぐ着くというところで
「お、おい何怒っているんだ?」
ん?その声に前に視線を向けると顔に包帯を巻いた人……この匂いは女性か?女性が歩いてきた。執事さんに連れられていた俺に気付くと軽く会釈をして横を通りぬけて行った。……つい、園子ちゃんの別荘で起きた事件の包帯男を想起させる姿だったから感覚広げて嗅いじゃったけど女性にすることじゃないな、うん。
「いまのは?」
「旦那様のご長男なんで長門秀臣様でございます」
……ご長男?男?どういうことだ?
『代わりにそろそろこの私めに、会長の座を譲っていただけるとありがたいのですが……』
『え?』
おいおい。開いたままの扉から聞こえた声に俺は眉をひそめ、思考を中断した。扉の前には至っていないので執事さんには中の様子は聞こえていないようだった。さっきの事もあってよく聞こえる耳がとらえたそれは本気の声色で、そして嘘偽りない心音だった。そして、中にいる人は会長さん以外は全員知り合いのようだった。
「それでは、案内はここまでで大丈夫ですよ。どうやら中にいる人たちは全員私の知り合いのようですので」
「左様でございますか?ですが、中の様子を見てもいないのに」
「まあ耳がいいんですよ。会長さんも穏やかな方みたいですし平蔵さんに紹介して貰います」
「わかりました。何かあればなんでもお申し付けください」
そう言って執事さんは戻って行った。
「おっと」
「失礼しました。私、緋勇龍麻の代理人で息子の緋勇龍斗です。どうぞよろしく」
「お、おお!?あの緋勇龍麻のご子息で四年前の世界大会の優勝者の緋勇龍斗君か!俺は長門光明だ。君が来ているってことは今日の夕食は期待してもいいのかな?」
「今晩は、ケーキだけですが。もし許可がいただければ朝食も用意しますよ?」
「それはなおさら楽しみだ!!」
部屋に入ろうとした瞬間に出てきたアラフォーの男性とぶつかりそうになった。互いに自己紹介をし彼とは別れた。そして俺は扉から中に入った。
「ほな、ぼちぼち私は大阪に……」
「せっかく東京で平蔵さんに会えるって言うレアなチャンスなのに、もう帰ってしまうんですか?」
「「「「「龍斗(((君)))(にいちゃん)!!!???」」」」」
中にいた毛利御一行と服部親子が同時に声を上げた。
「なんか、変な感じですね。いつも会うときは関西のほうでしたから」
「せ、せやな。龍斗君。しっかしひっさしぶりやなあ。まったくちょっと見ない内に貫録が出てきたんとちゃうか?おお、そうだ長門さん。この子はあの『100人殺しの緋勇』の倅ですよ!」
「お、おお!あの緋勇君
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