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名探偵と料理人
第十八話 -三つ子別荘殺人事件-
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思う?」
「は、え?なんやて?」

俺はこそこそ紅葉に耳打ちをしていた。

「逃げた犯人は『音』で追跡してたから誰かは分かっているんだ。それにさっきの驚いたとき。一人だけ心音が『生きていることへの恐怖』だった。だけどそれは証拠にならないからね。どうしようかと」
「そ、そやったんね。龍斗の力は便利やけど万能やないんやね」
「まあ、この世界じゃ魔法みたいなもんだしね。魔法じゃ司法で役には立たないさ」
「せやね、……ここは新一君に任せてみたらどうや?ダメそうやったら龍斗が手を出せばええ」
「そう……そうするか。でも一応新ちゃんに伝えておこう」

どうやら、三人が三人とも犯行時刻アリバイがあるという。俺が伝えられることはなんだろうな。……あれくらいか?

「新ちゃん、新ちゃん」
「なんだ、龍斗。てかこそこそ言ってるからってこんなとこで新ちゃん言うな」
「大丈夫、俺の感覚で十分気を遣ってるから。俺は、ね。まあそれでなんだけど俺犯人は分かってるんだけど証拠にならんのよね」
「は!!?どういうことだよ!?」
「いや、ほらね?俺鼻とか耳がいいでしょう?その感覚から犯人が誰かは分かるんだけどそれじゃあ捕まえられないでしょう?ほら、会長さんが生きてることに恐怖を感じた心音とかなんだそれってなるし」
「ま、まあそんなんじゃ証拠になんかなんねーけどよ。つーか心音ってなんだよ!?」
「まあまあ。だから、新ちゃんの推理に任せようかなって。一つだけ役に立ちそうなのは……あれだ、時計。発言と心音とで割り出したんだけど。犯人は何かしらの理由があって時計を持って行ったみたいだよ。物取りの偽装ってわけじゃないみたいだ。あとは……犯人が誰とか聞く?」
「…ッハ!そんなもん探偵に教えるなんて、邪道もいいところだ!!ナメンじゃねーよ、龍斗!俺がこの事件を解決してやるぜ!!」
「……そっか。じゃあお手並み拝見だ」
「ああ。……オレもオメーみてーに人が死ぬのを阻止出来たらサイコ―なんだけどな」
「それは……でも、事件を解決に導く力は俺にはないよ?謎を解決して司法で裁くことで救われている人がいるのも事実なんだし。向き不向きってものがあるんだよ。俺は特殊すぎるけどね」
「龍斗……すまねえ。らしくねえよな!時計の事ありがとうな!よし、やってやる!!」

顔をばちっと叩いて切り替えたらしい新ちゃん。……さあ頑張れ、小さな名探偵。





犯人が分かったと言うので、新ちゃんに探偵役を頼まれたが俺は探偵として有名になりたいわけじゃないのでやんわり断った。紅葉も同様だ。そこで、園子ちゃんに白羽の矢が立ったのだが蘭ちゃんにインターセプトされてしまった。……わかった、分かった。
新ちゃんに目で救援を求められたので蘭ちゃんに話しかけ、気をそらしているうちに
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