第十八話 -三つ子別荘殺人事件-
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だし。多分どっかに雷が……」
―――ドコッ!!……うごっ!!
「な、何今の音!!?」
「それに変な声!?」
!!俺は声が聞こえてすぐに別荘の窓を開け、
「やめろおおおお!!!」
『!!』
「え、龍斗?」
「龍斗にいちゃん?」
「皆は別荘の中にいて!!」
――――ピカッ!!
「「「「「!?」」」」」
俺の声に驚き、殴るのをやめこっちを見ていた男の顔が稲光で鮮明に映った。その顔はニット帽を被っていて両手で石を振り上げており鼻から上しか見えなかったが雄三さんに見えた。
俺はそのまま窓枠を飛び越え彼が殴っていた人の所まで走った。接近に気付いた彼はそのまま逃走した……追いたいが、まずはこっちか。
「会長さん!しっかり!!俺の声が聞こえますか!!?」
「なに!!?」
「え!?」
俺と一緒に窓枠を超え、逃げた男を追おうとした新ちゃんと蘭ちゃんが俺の声で足を止めてしまった。……音で追跡は出来てるけどこれは証拠にならないし、彼らにおってもらいたかったんだが、仕方がないか。
「龍斗兄ちゃん、会長さんの様子は!?」
「意識なし、呼吸はある!!外傷は左前頭部!これは……早めに病院に連れて行かないと!!」
「そうだね。園子ねーちゃん!救急車を呼んで!!それと綾子さんと紅葉ねーちゃんは玄関に毛布か何かを持ってきて!!バスタオルでもいいから!!」
「「わ、わかったわ」」
「まかせとき」
「蘭ねーちゃんは……」
「蘭ちゃんは俺と一緒に会長さんを玄関に運ぶよ。頭側は俺が揺らさないように持つから蘭ちゃんは足を……で、いいんだよね?」
「ああ!」
各人指示通りに動き、玄関に会長さんを移動させた。持ってきてもらった毛布を床に敷き、回復体位を取らせて出血している頭部を圧迫止血を行った。
その後、園子ちゃんが呼んだ救急車が到着し会長さんは搬送されていった。俺の誰何が早く、犯人が手を止めたため会長さんは助かったがもしあと二、三度殴られていたら手遅れになっていたそうだ。それでも危険な状態であるのには変わらない、とも。
―
朝になり、警察が来た。会長さんは意識は戻っておらず、未だに予断を許さない状況であるそうだ。俺達の犯人の目撃証言が重要になった。だが、雄三さんが犯人にされそうになったのでなんとか誤魔化そうとしたところ、会長さんが言っていた残り二人の息子がやってきた。……雄三さんを含めて三つ子の兄二人、太一さんに達二さんが。その三人は父親が夜に襲われ、未だに意識不明の重体であることを聞き驚きの声を上げていた。
「ちょっとちょっと、紅葉」
「な、なんや。まさか雄三さんが犯人やとおもっとったのにまさか三つ子やなんて」
「ああ、それは俺もびっくりだけど。犯人、分かってるんだがどう説明したらいいと
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